ドラマ『すべての恋が終わるとしても』主演、神尾楓珠が語る恋愛観。「“誰にも渡したくない”と思えたら、好きってことなのかな」
ドラマ『すべての恋が終わるとしても』(ABCテレビ・テレビ朝日系列 毎週日曜夜10時15分)は、“忘れられない恋”をテーマにした切ないラブストーリー。8人の男女が物語を紡ぐ本作で、葵わかなと共に主演を務める神尾楓珠にインタビュー。後編では、「運命の出会い」や自身の恋愛観、撮影現場の雰囲気などを訊いた。

――ドラマ『すべての恋が終わるとしても』では“運命の恋”が描かれていますが、運命の恋って信じますか。
信じます。自分が運命の恋をするのは想像つかないけれど、幼いころから家族ぐるみで仲が良くて、そのまま結婚……みたいな恋愛は、“運命”なのかなと思います。
――本作にも、真央の妹・大崎莉津(本田望結)と真央の同級生・西颯(藤原丈一郎)の幼馴染同士の恋模様が出てきます。
大崎真央(神尾楓珠)と羽沢由宇(葵わかな)、真央の妹・大崎莉津(本田望結)と幼馴染・西颯(藤原丈一郎)、高校生の蒼(山下幸輝)と沙知(大塚萌香)、社会人の野北駿太郎(白洲迅)と宮内郁子(市川由衣)の4組の中では、個人的に一番気になるカップルです。兄目線としてもですけれど、自分を犠牲にした上で兄のことを支えてくれる莉津には、自分のために生きてほしいな。

――神尾さんにとっての“運命の出会い”といえる人はいますか。
僕には伊藤あさひ、小西詠斗という同世代俳優の仲のいいい友人がいるのですが、小西は僕と同じ誕生日で、伊藤は2日違い。誕生日が近い友だちと不思議と仲よくなることが多くて、それは運命かなと思います(笑)。もう1人、誕生日は4月だけれど兵頭功海も仲がよくて、昔はこの3人と毎日のように会っていました。大人になって会う頻度は減ったけれど、今でも会うと元気をもらえるし、相談するとなったらこの3人。もう7年くらいの付き合いで、みんなの良い部分も悪い部分も知っているし、僕も知られてるので、一生この関係のままいられたらいいなと思っています。
――全てをわかってくれている人がいるってスゴイですね。
そうですよね。だから変にいい人ぶる必要もないし、気を遣う必要もないし。
――男性の友だち同士で、恋バナってしますか?
あまりしないですね。相談されればきくけれど、お互い干渉しない感じです。
――先ほど、「妹・莉津には幸せになってほしい」という趣旨の発言がありましたが、神尾さんにも妹さんがいらっしゃいます。妹さんが親友の1人を好きになったらどうしますか。
妹はまだ10代なので、想像できないな。でも成人だし、可能性はゼロじゃないですよね……。受け入れるのにちょっと時間がかかるかもしれないけれど、それはそれで、楽しい関係性にはなるんじゃないかな。嫌ではないです。お互いが好きであれば。

――逆に自分のよく知ってる人だから安心なのでは。
それはそうかもしれないですね。でも、想像できない(笑)。
――ちなみに、神尾さんが人を好きになるときのポイントって何ですか。
笑いのツボが一緒というのは、結構大事ですね。それは、大人になればなるほど。僕はしょうもないボケを言いたがるので、それを拾ってもらえたら嬉しいです。あとは、「誰にも渡したくない」と思えたら、好きってことなのかなと思います。
――同世代の共演者の方が多かったと思いますが、現場はどんな感じでしたか。
現場は和気あいあい。重いテーマのある作品とは思えないくらいでした。優しくて温かいチームだったので、プレッシャーを感じることなく、みんなでボケあいながら楽しく撮影していました。
――神尾さんと西颯役の藤原丈一郎さんは、現場で「小学生2人」と言われていたそうですが……。
ボケの発生地でしたね(笑)。普通のことを名言っぽく言う「名言ノリ」を2人でやっていたら、それがどんどん現場で拡がっていったりしていました。あとは、「カットがかかった瞬間に真顔に戻る選手権」とか。そういうノリがあったから、重い雰囲気にならずにすんだのかもしれません。重い空気しかなかったら、キツかったかも。

――重い役を演じたとき、プライベートに戻る際の切り替えはどうしていますか。
実は、あまり苦労したことなくて。メイクを落としたら素に戻ります。
――『すべての恋が終わるとしても』というタイトルにかけて、最近、「終わったー!」と思ったのはどんなときですか。
ドラマ『PJ ~航空救難団~』(テレビ朝日系)がクランクアップしたときは、解放感と達成感の「終わったー!」でした(笑)。「終わりが来るんだろうか」という中で撮影をしていたから。体力も精神面もキツかったけれど、精神面の方が大変だったかな。自衛官の方たちはあれを日常でやっているってスゴイですよね。尊敬します。でも、過酷な撮影を乗り切れたのは自信になったし、確実に自分が強くなった。そこは誇りを持ちたいな。
――さて、ドラマではこれから真央の事情がだんだんとわかってきます。
そうですね。真央の抱えてるものが何なのか、なぜ由宇とあんな別れ方をしたのかがわかってくるので、ご注目ください。ほかの3組の恋愛模様もそれぞれ切なかったり温かかったりするので、真央と由宇だけでなく、ほかのカップルの行く末も見守ってほしいと思います。

ドラマ『すべての恋が終わるとしても』は、ABCテレビ・テレビ朝日系列で毎週日曜よる10時15分放送。放送終了後、TVerで見逃し配信。U-NEXT、Prime Videoでは全話配信。
取材・文/坂本ゆかり



