『探偵!ナイトスクープ』「テレビで流したらテレビ局が砕け散る」亡くなった父が残したエロ写真の謎、まさかの感動展開…!?

探偵!ナイトスクープ』(ABCテレビ)に、京都府の女性(67)から依頼が届く。30年前に父親が77歳で亡くなった当時、母親と一緒に遺品の整理をしていたところ、箪笥の奥からとてもいやらしい写真の束を発見! 100枚以上はあるそれらの古い写真には、見知らぬ女性たちのあられも無い姿が…。母親はその写真について、父親からは「戦場に持って行った大事なものだ」と聞かされていたとのこと。太平洋戦争を生き抜いたのは、この写真に元気をもらったからかもしれない。そう考えて捨てずに取っておいたものの、依頼者も身辺整理を考える年齢になり、処理に困り始めてしまった。そこで、写真に歴史的価値があるかを調査してほしいという内容だ。もしも価値があるならばしかるべきところに寄贈したいと、依頼者は考えているとのこと。

依頼者のご自宅で問題のエロ写真を見た(スリムクラブ)眞栄田探偵は、「あらま!」「ほおほおお!」と、驚きが止まらない。とてもテレビではオンエアできないコレクションの総枚数は、奇しくも煩悩の数と同じ108だ。

依頼者の父親は太平洋戦争に従軍し、ビルマ戦線でマラリアに罹患。戦場では病人は足手纏いになるため置き去りにされるが、父曰く「死体置き場から生還」し、終戦後に家庭を築いた。依頼者が「戦場」について尋ねても、父親は多くを語らなかった…。今回の調査を通じて、父親がどんな戦地で、どんな思いでこの写真を見ていたのかも知りたいと、依頼者は願っていた。

今回の調査に協力する識者は2名。父親の「兵籍簿(軍籍)」を解読し、いつ、どの戦場で、どんな体験をしたのかに迫るのは兵籍簿研究者の近藤先生。性風俗史研究科の下川先生は、エロ写真に歴史的価値があるかどうかを鑑定する。オンラインで対面すると、近藤先生から驚きの情報が届く。ビルマのイラワジ会戦で、お父さんと共に戦った佐藤さんという方がご存命だという。依頼者と探偵は佐藤さんに会うために急遽新潟へ。105歳の佐藤さんは、眞栄田探偵が「SONY製」を疑うほどお元気だ。

結論から言うと、佐藤さんは依頼者の父親と面識がなかった。実は、佐藤さんがイラワジの戦場に到着する前に、軍が撤退していたのだという。依頼者は佐藤さんにエロ写真を見せて、戦場でこういった写真を見たことがあるかを問いかけるが、答えは否。入隊時の身体検査で写真は没収されるため、携行は不可能だったそうだ。

銃弾に倒れるよりも、命はあるが食べるものがないことが原因で、栄養失調やマラリアで亡くなる方がつらかったと、自身もマラリアに罹患した佐藤さんが戦争体験を語る。そして、世界中で起きている戦争や紛争について、「戦争にいいも悪いもない。戦争すること自体が悪い」と淡々と言い切った。

佐藤さんとの面会を終えたその足で、依頼者と探偵は先生方が待つ東京へ。下川先生の鑑定結果は、「写真は戦後に撮られたもの」。その根拠は、下川先生が持っている「確定的に戦後に撮られた写真」と同じものが何枚もあったから。しかもその年代は昭和30年代と、終戦から10年以上も経っている。つまり、「戦争に持って行った」という説明は嘘だったのだ。その嘘に振り回された依頼者は恥ずかしそうな笑顔で、「もう!」と言いながら、父親の遺影をハンカチでパシパシと叩く。歴史的価値もないとのことで、眞栄田探偵が「ただのエロ写真です」と認定した。

続いて、近藤先生が兵籍簿からわかったことを依頼者にお伝えする。父親は全部で3回招集され、ほとんど病気をすることもなく、最前線の砲兵としてずっと戦地を歩きっぱなしだったこと。編成時1600人だったが、1000人が戦死した部隊でも生き残ったこと。そして英国の捕虜になったこと。捕虜については初耳だと驚く依頼者に、近藤先生は「お子さんには伝えたくない体験だったのでは」と想像する。依頼者は亡き父に、「本当にお疲れ様でした」と涙ながらに言葉をかけた。

眞栄田探偵が「この写真は(お父さんが)地獄から戻って『ふつうの男』に戻った証です!」「(エロ写真と兵籍簿は)イーブン! 引き分け!」とジャッジしたところ、「こっち(エロ写真)だって結構いいですよ?」となぜか勝ちにこだわる下川先生。このコメントにより、ラストは笑顔であふれた中での調査終了となった。

なお、この依頼VTRは、9月12日に放送された『探偵!ナイトスクープ』で公開された。

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