「森」をまるごとレンタル!? 文明をひとりでやり直す男性や、緑の癒しにハマる女性! 新たなサービスの使い方に密着!

「森をレンタルする」という新たなサービスが全国各地に広がりつつあります。人はなぜ森を借りるのか?そこにはさまざまな目的で訪れる人の姿がありました。

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京都・福知山市のとある森の中に月2回のペースで通い、“森生活”を楽しんでいるのは京都市在住の新井俊弘さん(51)。テントを張ってハンモックでくつろぎ、たき火を楽しむこの場所は、なんとレンタル。年間8万8000円から借りることができ、落ちている枝や石、丸太も自由に使える「自分の森」です。

このような、森(=フォレスト)をレンタルするサービス「フォレンタ」は5年前にスタートし、全国にじわじわと広がりつつあります。

そんな「フォレンタ」の始まりの地「フォレンタ 東白川キャンプエリア」があるのは、全面積の9割を森林が占める岐阜県の東白川村。甲子園球場2.5個分の森を、現在100組以上がレンタルしています。その中には、森を愛してやまない“猛者”たちが…。

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森の中に本格的な石造りの家をイチから建ててしまったのは、フォレンタ歴4年の市原祥央さん(36)。「人間ひとりで時代をどこまで進められるか」を森で試しているそうで、石を叩き割って家を作る「石器時代」から始まり、土から土器を作る「縄文時代」を経て、今は「鉄器時代」に挑戦中とか。

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材料の砂鉄130kgは、すでに神奈川県の砂浜から採集済み。今は砂鉄を溶かすための炭を作り、その炭を作るための窯を作るという途方もない作業に取り組んでいます。

文明を遡り、ひとりで人類の歴史をやり直すユニークなチャレンジを楽しむ市原さん。いつかは自分の山を買い、自給自足で生きるのが夢だそう。そんな彼の渾身のキャンプ飯が「ナポリピッツァ」。4か月かけて製作したピザ釜で焼く本格派で、作ったきっかけは、ここでピザを食べたいという「女友だち」がいたからとのこと。動機は意外と“現代人”でした。

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【動画】「フォレンタ」の発起人は、岐阜で代々林業を営む田口房国さん(48)。木材の需要が大幅に減ってしまった現代、森林を貸すことで村に「人を呼び込むことができたら」とこの事業を始めたそう。

一方、雨の中で映える苔を愛おしげに眺めるのは、フォレンタ歴1か月の西尾たかみさん(58)。毎週のように通って好きな草花を植える、「自分の森」作りに夢中です。

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西尾さんはシングルマザー。3人の子どもを育てるため、休みなく働く慌ただしい生活を15〜16年続けていたそう。子どもたちが自立した今、たどり着いた森でのんびりと眺める緑に癒やされるうち、気持ちに余裕が生まれたといいます。

そして、ひとりで文明を遡る猛者・市川さんも頼りにする「最強のご近所さん」が、ブラジル生まれの福島ジュアレスさん(58)です。

ナイフやのこぎりなどの最低限の道具で、自然の中にあるものを使ってテーブル、イスなどを作るブッシュクラフトが得意な福島さん。近くの沢から水を引っ張ってきた手洗い場や、お客さんも招くことができる立派な小屋まで自分で建ててしまいました。

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日曜大工やファミリーキャンプで実力をつけ、子育てが落ち着いたタイミングで妻の由美さんと一緒に「森を借りる」ことに。そんな福島さんのエリアには、夕方になるとたくさんのご近所さんたちが集まり、宴会が始まります。

その中のひとりが、もともとは「ひとりになりたくて」人里離れた森を借りたという小栗健嗣さん(61)。なのに、また人と“集まる”理由をたずねると、「やっぱりちょっと変わった人だと思う」「こんなところに毎週来るような人って(笑)」と笑いながら、「そういう人だから通じることがある」と森で生まれた新しいコミュニティーの魅力を話してくれました。

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森のレンタルサービス「フォレンタ」を利用する人々の人間模様は、8月21日(木)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。

『newsおかえり』YouTubeチャンネルで配信中

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