涙!トミー・ジョン手術から奇跡の復活 “昨年センバツ優勝投手”佐藤龍月(健大高崎)「ほぼ諦めかけていた」甲子園で1年ぶり熱投

夏の甲子園(第107回全国高等学校野球選手権大会)8日目にあたる8月13日に、前年の春夏甲子園王者が大会史上初めて初戦で激突した。2024年センバツ(第96回選抜高等学校野球大会)優勝投手の佐藤龍月選手(群馬/健大高崎)は、約1年前にトミー・ジョン手術を受け、甲子園出場は「ほぼ諦めかけていた」という。

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8月13日に行われた第1試合の組み合わせは、2024年センバツ優勝校の健大高崎と2024夏の甲子園優勝校の京都国際(京都)。春と夏の日本一チームが、翌年の夏の甲子園初戦で戦うのは史上初である。大会屈指の好カードとあって、朝一番から阪神甲子園球場は大盛り上がりだった。

健大高崎の投手陣は、センバツ優勝投手の佐藤龍月選手、最速158キロを誇る石垣元気選手、U18代表候補の下重賢慎選手という3年生3本柱。対する京都国際は、昨夏の優勝投手である3年生エースの西村一毅選手が1人でマウンドに立った。

王者対決は、序盤から壮絶な点の取り合いになった。1回裏で健大高崎はピンチを背負い、京都国際にいきなり2点を奪われてしまう。攻撃では、京都国際の西村選手の魔球に苦しんで得点できなかったが、食らいつき続けて3回表に同点に追いつき、ついには3対2で逆転! しかし、その回の裏で先発投手の下重選手がリードを守り切れず、京都国際に再び逆転を許してしまった。

さらに健大高崎は、1点差の4回裏2アウトで追加点を奪われそうになる危機に。この場面で満を持してマウンドに立ったのは、佐藤選手だ。実は昨年、トミー・ジョン手術を受けた佐藤選手。彼いわく、「手術を決断したときは(甲子園を)ほぼ諦めかけていた」そうだ。あれから約1年……佐藤選手は復活のマウンドで、見事ピンチを切り抜けた!

しかし5回裏で、2アウト3塁と佐藤選手が再びピンチを迎える。これ以上点差を広げられない状況だったが、京都国際の勢いは止められなかった。7回裏に登板した石垣選手が、甲子園最速タイ記録となる155キロをマークし、この回を無得点で抑えたものの、健大高崎は3回表以降に京都国際の西村選手から1点も奪えず……。最終的に健大高崎は、京都国際に3対6で敗れた。

試合後の健大高崎の宿舎には、選手たちのむせび泣く声が響いていた。その中で石垣選手は、「佐藤の想いも背負って自分が引っ張っていこう」という決意でマウンドに上がっていたことを告白。その決意は、瞳を涙で濡らす佐藤選手も伝わっていたようだ。佐藤選手は、「ありがとう」と感謝し、石垣選手と熱い抱擁を交わしたのだった。

なお、手に汗握る健大高崎と京都国際の試合ハイライトは、8月13日に放送された『熱闘甲子園』(ABCテレビ・テレビ朝日系列)で紹介された。

番組情報

熱闘甲子園
8月5日(火)〜決勝戦まで連日夜放送 ※休養日除く(予定)※変更の場合あり

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