AI時代生き残りのカギは「欲望する力」!? チームみらい党首・安野貴博氏が世界と日本のAI競争を語る!

ニュースの正しいミカタを解説する情報バラエティ番組『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』(ABCテレビ)。東留伽アナウンサーがMCを務める番組公式YouTubeチャンネル『正義のミカタチャンネル』で、チームみらい党首でAIエンジニアの安野貴博氏が、AI時代を生き残るための道を提言!

総務省が7月に発表した情報通信白書によると、個人で生成AIを使う割合が日本では26.7%。まだ4分の1程度で、中国の81.2%、アメリカ68.8%、ドイツ59.2%といった他国の数字と比べるとかなり少ない。

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この数字について、安野氏は「生成AI全部だとこんな感じ」としながらも「ほかの国に勝っているところもある」といい、「例えば画像系とか動画系の生成AIって、結構日本のコミュニティは活発」とコメント。ただ、もともとの情報リテラシー、ITのリテラシーが他国に比べて日本は低い傾向にあり、その影響が表れていると分析した。

AI開発で世界のトップを行くアメリカは、トランプ大統領がAI開発を加速する大統領令を出したほどAI競争に前のめり。その半歩後ろを中国がどんどん追いついてきていて、日本はその遥か後ろにいると安野氏は明かす。

東アナは「正直、投資できる資金量のゲームなのかなと思っちゃうんですけど。日本がここでどうやってパイを取っていくことができるんですか?」と質問。安野氏は、「中国やアメリカは国の予算を突っ込んで、日本より2桁くらい多い金額を動かしている。ただ私は、日本の勝ち筋はまだあると思っている」と語り始めた。

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安野氏は、AIにまつわる競争には2種類あると語る。一つは「賢いAIを作るぞっていう競争」で、もう一つは「賢いAIができた時それを実産業で使いこなすぞという競争」。安野氏は「AIを作る競争では、日本はアメリカ・中国に5、6年くらい遅れてるんで、一朝一夕には厳しいと思うんですけど。使いこなすぞっていうレース、この競争はまだ始まったばっかり」という。

加えて、日本には「AIを使いこなしていこうという動機がすごくある」と安野氏。少子高齢化で人口が減っている今、全産業で人手不足が叫ばれている。かといって移民を欧米のレベルまで受け入れることは現実的でなく、「もうAIしかない」という状況だというのだ。欧米では、何かAIを入れて自動化しようという話が出ると「じゃあ雇用の問題をどうするんだ」というハードルが立ちふさがるが、日本にはその問題が発生しないため「この領域においては、実は社会的に有利な立場にいる」「社会的合意は取りやすいんじゃないか」と安野氏は語った。

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東アナはここで、「AIを使うには電気量も必要。それは日本国内で補っていけるんですかね?」と指摘。安野氏も「これは本当にしっかり考えなくちゃいけない」と頷く。電気量は必要だが、AIを動かすために電気が使われなければ経済が成長しない。「実はエネルギーをどれだけ安定的に確保できたかどうかが、経済成長の上限を決めていく」と安野氏は言い切る。

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そこで、きちんとAIを活用するための電気量産出が必要になるが、日本のエネルギー庁の計画をみると「我々の試算では、電気が10%くらい足りないんじゃないか」と安野氏は指摘。「ありとあらゆる手段を使って、ちゃんと電気を供給できるような体制を整えましょうと。例えば火力発電所は今ちょっと減らそうとしていますけど、減らすのはちょっと待ったをかけて、少なくとも維持した方がいいんじゃないか」「再生エネルギーも、都市部の屋根は余ってるので、ここはもうちょっと敷き詰める余力があるんじゃないか」と、原発再稼働も含め、いろいろな方策で電力確保が必要だと説いた。

話はスパイ対策、サイバーセキュリティにも及ぶ。「日本が全体的に弱いところはサイバーセキュリティですよね。安全保障の文脈でも、戦争のやり方が変わってきているわけですよ」と、安野氏は言う。地上戦が展開される前の段階から“電子戦”と呼ばれるサイバー戦争や世論を誘導する“認知戦”が繰り広げられる現代では、サイバーセキュリティの強化が欠かせないのだ。

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最近ではルーマニアの大統領選がロシアからSNS介入を受けたと報じられているが、日本のこの夏の参議院選挙でも、大型の選挙では日本で初めて海外からの介入があった可能性が報道されている。実際に何が行われたのか、振り返りが必要だと安野氏は語った。

さらに、安野氏は日本で制定されたばかりの「AI推進法」についても言及。これを高く評価しているという安野氏は、日本の方針には「大きく2つ道があったんですよね」と説明。「結構適切なラインだと思う」と安野氏が語る、この「AI推進法」の方向性や将来性とは?

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最後に、東アナから、AI活用の時代に「生き残れる人間って何が必要なんですかね?」と質問が。それに対し、安野氏は「欲望する力」だと答える。「AIって目的を自分で考えることはしないんですよね。○○をやってくれって言うとそれをやってくれるAIは出てくるんですけど、○○をやってほしいって命じるのはやっぱり人間。なので、ここを目指したいとか、これを達成したいんだって欲望する力、これがすごく大事だと思います」

このほか番組公式YouTube『正義のミカタチャンネル』では、東留伽アナのMCで、放送には入りきらなかった話も深掘りしてお届け! 選挙期間中にYouTubeライブで活躍した「AI安野」の裏話には、東アナも仰天!?

番組情報

教えて!ニュースライブ 正義のミカタ
毎週(土)あさ9:30

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