あの日に帰れたら、今度はもっとうまくやれる。分岐点直前に目覚めた主人公がとる行動は――?『傷心タイムリープ』第3話
「なに、これ……またあのクリスマス…?!」
作家の二語十が原作・シリーズ構成・脚本を務め、イラストレーターtanuがキャラクターデザインを手掛ける『傷心タイムリープ』。気鋭のライトノベル作家とイラストレーターが組んだ4連作ショートアニメプロジェクト『週刊ラノベアニメ』内の1作だ。
第2話のラストで、クラスメイトの和瀬樹(CV:坂田将吾)に想いを告げようとした若菜美梨(CV:高柳知葉)。ところが、高校3年生のクリスマスへと再びタイムリープし……。
和瀬「ごめん。俺、若菜とは――」
(なんだ。やっぱり同じじゃん)
再びフラれてしまった若菜に、和瀬は問いかける。
「若菜。傘、持ってるか?」
「え?ああ…持ってないや」
すると和瀬は、自分の持っていた傘を開き、若菜へと差し出す。
「あの時のお返しってことで」
「それじゃ」
そう告げると、和瀬は立ち去っていく。
(夢じゃなかった!)
カフェに入り、自身の日記SNSを読み返す若菜。4月8日の日記には
「なんか気づいたら相合傘しちゃってた!??けどいっぱい話せた!」
と記されている。
(高3の春に、私戻ってたんだ。そして過去が変わって、未来も変わった。けど、どうやって過去なんかに――)
さらに日記を読み返した若菜。5月21日のポストが目に留まり―――。
高1のはじめ、出席番号順で隣の席になって以降、何度席替えしても若菜と和瀬は隣同士。
(いい加減にしてよね、なんて言いながら、お互い悪い気はしてないことは分かってた)
(でも、あの日。私たちはとあるすれ違いをして、離れ離れになった。思えばそれ以来、なんとなく私たちは疎遠になっていったような気がする)
「戻りたいな」
(分岐点は、あそこだったのかもしれない。今あの日に帰れたら、もっとうまくやれるのに――)
スマートフォンの上にそっと右手を置いたその時、薬指のリングが光り始め……。
目を覚ますと、そこは学校の保健室。隣にはクラスで一番仲の良い女子、阿南都(CV:根本京里)がいて、日付の入った時計には5月21日水曜日と表示されている。

(あの日だ! あの日に戻ってきたんだ!)
都は若菜を心配して、昼休みに保健室に来てくれたらしい。
「朝、熱っぽくてお腹も痛いって言って保健室に…もう昼休みだけどさ。はい」
と、パンの入った袋を手渡してくれる。
(席替えは確か、6限目のホームルーム。だけど当時の私は、その前に和瀬と――)
会話も上の空で和瀬のことを考えていた若菜に、「怪しい」と顔を近づける都。
「美梨が隠し事してる時の匂いがする。私、美梨との付き合いの長さでは和瀬に負けてないから。なんかあったら話せってこと」
そこへ入ってきたのは、同級生の芦屋 蓮(CV:川島零士)と和瀬だ。 顔を見に来てくれたらしい男子達は、都と若菜に「昼飯一緒に食おうぜ」と声をかける。
和瀬「体調どうだ?」
若菜「うん、大丈夫」
(今度はうまくやる。あのすれ違いを回避して、今度こそ…!)
5月21日。2人の間にこの後起こったすれ違いとは何だったのか?
若菜はこの日を思う通りやり直して、未来を変えられるのだろうか。
ショートアニメ4本が連続で展開される『週刊ラノベアニメ』は、ABCテレビ・テレビ朝日系列全国24局ネット『ANiMAZiNG!!!』枠にて放送。TVerでも無料配信。
なお、この『傷心タイムリープ』第3話は7月26日深夜に放送された。