コシノジュンコ「万博は『未来に対しての実験の場』」エコ、暑さ対策、ジェンダーレスすべてを叶えた未来の服が万博に集結

連日、大盛況の大阪・関西万博。各パビリオンを支えるスタッフの「ユニフォーム」には、華やかさだけでない時代に合わせた3つの工夫がありました。

吹田市にある万博記念公園の「EXPO’70パビリオン」。こちらには1970年の大阪万博で使用されたユニフォームが展示されています。当時、来場者の目を釘付けにし、日本人のファッションを変えるきっかけになった斬新なデザインが並びますが、これらにはある共通点が。

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実は、ほとんどが「ミニスカート」。これには、万博が開幕する3年前に来日し、日本にミニスカートブームを巻き起こしたイギリスのモデル・ツイッギーの影響があったといわれています。

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胸元に三菱グループのロゴをあしらい、赤と白を基調にした「三菱未来館」のユニフォームも同じくミニスカート。「三菱未来館」は今回の万博にも出展していますが、55年の時を経て、ユニフォームはどう変わったのでしょうか?

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2025年はふんわりとまとった柔らかそうな布が印象的。なんとこのユニフォーム、少し手間を加えるとオシャレなエコバッグに変身するのです。万博のテーマでもある「エコ」を重視し、長く使えるようリメイクを前提にデザインされているそう。万博終了後はエコバックに作り替えてスタッフに配られる予定です。

令和ならでは1つめの工夫ポイント「エコ」は、「住友館」のユニフォームにも取り入れられています。パビリオンのテーマである「森」をイメージし、アースカラーでまとめられたアウターとパンツ、帽子の原料は「ペットボトル」。
廃棄されるペットボトルを住友商事のグループ会社が集め、リサイクルした糸で作られています。

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バルーンのように大きく膨らんだデザインが斬新なのは「NTTパビリオン」のユニフォーム。実は裾の部分に空調ファンがついています。これは2つめのポイント、「暑さ対策」の工夫。中に涼しい空気を送り込むファンが、このユニフォームの特徴であるモコモコしたシルエットを維持する役割も果たしています。

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55年前に比べ、およそ3℃も気温が高い令和の夏を乗り切るため、ユニフォームに「暑さ対策」を取り入れているのは、「大阪ヘルスケアパビリオン」で「ミライ人間洗濯機」を展示する企業「サイエンス」。黄色いパンツスーツの上着の袖が着脱できるようになっていて、暑ければすぐに半袖にできます。

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【動画】黄色いユニフォームには、1970年の万博で「人間洗濯機」を紹介していた「サンヨー館」へのオマージュが。

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そして、3つめのポイントが「ジェンダーレス」。多くのパビリオンで男女の区別がない誰でも着られるデザインが採用されています。中でも目を引くのが、「大阪ヘルスケアパビリオン」にブースがある「タカラベルモント」のユニフォームです。

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「2050年、宇宙が今よりも身近になっているであろう時代の美しさ」を表現するブースに合わせた未来感あふれるユニフォームは、男性も女性も身につけられるデザイン。これを手がけたのは、世界的デザイナーのコシノジュンコさんです。

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1970年の万博でも「タカラベルモント」を含む3つのパビリオンのユニフォームをデザインしていたコシノさん。「あの当時はすべてが始まりだったから、まずは建築ありき。建築とコンパニオンが一体化しなきゃいけないので、建築の模型を作るような気分でした」と55年前を振り返ります。

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万博とは「未来に対しての実験の場」とコシノさん。1970年の万博がそうだったように、そこで生まれた新しいものがのちの未来に影響を与えるかもしれません。

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「万博終わった後のレガシーに何が残るか。ファッションのひとつの流行が残るかもしれないし、建築かもしれないし、お料理かもしれない」「何かしら終わって必ず影響が残るはずです」とコシノさんは今回の万博にも大きな期待を寄せています。©ABCテレビ「万博終わった後のレガシーに何が残るか。ファッションのひとつの流行が残るかもしれないし、建築かもしれないし、お料理かもしれない」「何かしら終わって必ず影響が残るはずです」とコシノさんは今回の万博にも大きな期待を寄せています。

万博スタッフのユニフォームに見る令和ならではの工夫は、7月7日(月)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。

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