「福岡→大阪600km歩いて万博へ」（『newsおかえり』2025年5月7日放送）では、あるチャレンジに臨む80代の元気な男性を紹介した。

福岡県在住の岡高光さんは御年81歳。4月7日に自宅のある福岡・小郡市を出発し、大阪・夢洲の大阪・関西万博の会場に、なんと“歩いて”向かっている。その距離、およそ600km！

岡さんは50歳のころからランニングを始め、趣味が高じて国内外のフルマラソンに出場。70歳の古希を迎えたのを機に、九州1周約1000kmを走破した経験もあり、「万博までなら半分やしできるかな」とチャレンジを決めたとか。

現在は脊柱管狭窄症による足のしびれがあり、走ることは難しいが「80代になって自分にできる挑戦」を決行した岡さん。取材班が直撃した5月6日には、すでに関西に到達し、兵庫県尼崎市内を歩いていた。

この日はあいにくの雨。だが、レインコートを身につけた岡さんは休まず歩く。膝に負担がかからないよう、「とにかく軽く」と最低限の荷物だけを入れたナップサックには、季節外れの防寒着が。出発時の4月初旬にはまだ“みぞれ”が降る寒い日もあったのだ。

明けて7日、大阪・梅田のホテルを朝8時に出発した岡さん。出発からちょうど1カ月、いよいよゴールは目前だ。万博会場が見えたら「バンザイして写真を撮りたい」とはやる気持ちを抑えきれないようだが、ここで思わぬ事態が。

徒歩では通れない場所があるなど、慣れない土地ゆえのハプニングに振り回され、ルート変更を余儀なくされた岡さんの予定は大幅に遅れることに。加えて長旅の疲れか、辛そうな様子を見せる場面も…。

それでも歩き続け、午後2時すぎ、ようやく万博会場に到着した岡さん。「30日間の苦労はみんな飛んでしまいました」「思えばあっという間やったね」と喜びを爆発させ、会場をバックに「バンザイ」ポーズ。その表情は“80代の挑戦”を成功させた充実感にあふれていた。

「60年間ありがとう“昭和の人情商店”」（『newsおかえり』2024年2月14日放送）では、60年の歴史に幕を閉じたある店の“最後の日”に密着した。

大阪・守口市の住宅街にある「かどや商店」は1963年創業。昭和にタイムスリップしたような店の佇まいは昔のまま。値段も“昔のまま”で、名物のたこ焼きは6個100円、いか焼きは130円など、20年以上も値上げをしていない。

そんな「かどや商店」が閉店することになった。2代目店主の大槻富夫さん（66）と一緒に店を切り盛りする妻・小百合さん（63）の腰痛が悪化。疲労骨折を起こしていたことがわかり、「これ以上、無理しないほうが」と小百合さんの体調を心配した富夫さんが、悩んだ末に決断したという。

カメラは閉店までの日々を追う。ソフトクリームにはしゃぎながらも「かどや終わる」と寂しげにつぶやく幼い子どもたち。「ここだけは閉めないでくれよと思ってたのに」とショックを受ける男性。そして、「おっちゃん、おばちゃんありがとう」と思いを綴った色紙を届けに来た常連の姉妹…。「こんなに愛されとったんや…」と感激する小百合さんが思わず涙ぐむシーンも。

いよいよ閉店の日がやって来た。店には「最後に食べたい」というお客さんが続々と訪れ、午後には大行列に。その熱い思いに応えるように、大槻さん夫妻は全力で焼き続ける。

そして迎えた閉店の時間。別れを惜しむ常連客たちを前に、「嫁に面と向かって言ったことがないので…」と小百合さんへの感謝の言葉を口にする富夫さんに、誰からともなく拍手が。昭和から長い歴史を刻んだ“人情商店”は、店を愛する地元の人々の温かい笑顔に包まれながら、すべての営業を終えた。

ABCテレビの夕方のニュース『newsおかえり』で過去に放送された特集企画と、YouTube公式チャンネル『ABCテレビニュース』の特集動画から選りすぐりの作品をお届けする番組『newsおかえり＆YouTube傑作選』。6月23日（月）は「福岡→大阪600km歩いて万博へ」と「60年間ありがとう“昭和の人情商店”」の2本を放送した。

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