青いボトルの中には“違法薬物”がみっちりと…! カメラが捉えた摘発の瞬間! 密輸を防ぐ“最後の砦”大阪税関に密着!!
違法薬物やコピー商品などの密輸を水際で防ぐ「大阪税関」の職員たち。郵便物の中に巧妙に隠されていた違法薬物の“摘発の瞬間”をカメラが捉えました。
取材班がやってきたのは、関西国際空港内の大阪国際郵便局にある大阪税関の外郵出張所。こちらでは、海外から届いた郵便物の中に違法薬物やコピー商品などが紛れていないかを監視しています。
無数にある荷物の中から“疑わしいもの”をどのようにして見つけるのでしょうか? まず、過去に摘発が多かった輸出国や品目などを職員たちが端末で確認。伝票の内容と実際に手に持った重さを比較し、検査すべき荷物を瞬時に判断していきます。
こうして絞り込んだ疑わしい荷物は、X線などを使ってチェック。さらに開封し、ひとつひとつ中身を身長に確認していきます。
大きな発砲スチロールの箱から出てきたのは大量のボトル。すべてシャンプーとのことですが、こうしたボトルに、中身を偽って違法薬物が入っていることも。そこで、微量の違法薬物も探知できる特殊な機械を使って中身を調べます。
検査の結果、この荷物に問題はありませんでしたが、過去には新品と思われたボディクリームの容器から、不審物が見つかったことも。アルミホイルとポリ袋で二重に包まれ、クリームの中に埋められていた“白い粉”の正体は、幻覚や興奮、錯乱状態をもたらす違法薬物でした。
また、お酒に覚せい剤の粉を溶かして密輸しようとしたケースも。国際貨物を検査するセクションでは、ビンの蓋を開けずに中の成分が調べられる機械を使い、未開封のワインなどもしっかりと検査しています。
【動画】大阪税関で2024年に摘発された違法薬物の件数は194件。前年の約2倍と増加していて、直近5年では最多の件数となっています。
一方、別の郵便物から出てきたのは、有名ブランドのロゴが入ったスマートフォンのケース。知的財産を侵害する“コピー商品”の疑いがあるため、別の専門セクションへと引き継がれます。
こうしたコピー商品を調べるのは、さまざまな情報と知識をもつ知的財産専門の職員たち。ブランドの権利者の協力の下、細かい見極め作業を行います。
この日、見つかったのは、有名ブランドの靴や、大手自動車メーカーのハンドルカバー、人気キャラクターのクッキーを作る型抜きなど。本物そっくりに見えますが、これらはすべて“偽物”です。
去年1年間で大阪税関が差し止めた、知的財産を侵害する違法な物品は約38万点。これは過去3番の多さで、個人が海外の通販サイトなどを通し、コピー商品と気づかずに購入するケースが増加しているそうです。
このような物品は安全性が確保されておらず、使用することで健康や安全が脅かされる危険なものが多いとか。これらを水際で取り締まり、国内への流入を防ぐのも関税の重要な役割です。
取材を進めるなか、検査場で動きがありました。小さな箱から出てきたのは、緩衝材で梱包された化粧品など4点。そして、中身がまったくわからないように厳重に梱包された長方形の包みが1点。一体、何が入っているのでしょうか?
中身を傷つけないよう、慎重に梱包を解いていく職員。何重にも巻かれた緩衝材に包まれていたのは青いボトル缶でした。X線で調べたところ、ボトルの底に不自然な“空洞”を発見。どうやら中身は普通の液体ではないようです。
そこで蓋をボトルの開け、口の部分をぬぐった布を、違法薬物を探知する特殊な機械で調べると、中身は“大麻”と判明。ボトルにみっちりと詰まったおよそ700g、末端価格で700万円相当にもなる液体大麻の密輸を、まさに水際で食い止めた瞬間でした。
巧妙な手口で日本に持ち込まれる違法薬物やコピー商品。その“最後の砦”として、税関職員たちは今日も最前線で闘っています。
関西国際空港で活躍する大阪税関の職員への密着取材は、5月29日(木)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。
