大阪府堺市の世界遺産の古墳に“よけいなもの”がくっついている!? 重大な歴史が隠されたそれは絶対に残すべきものだった


大阪府堺市が誇る世界文化遺産「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」の中に、「なんでこんなものが?」とツッコみたくなる“よけいなもの”がつけられた古墳を発見! “よけいなもの”の正体とは? 「よけいなんだったら取り払った方がいい!」と、A.B.C-Zの塚田僚一とABCテレビの古川昌希アナウンサーがその謎を調査すると……!?
【未公開映像】イメージダウンになるかも!? A.B.C-Z塚田僚一の意外な一面に古川昌希アナ「聞きたくなかったな~!」


問題の古墳は、JR阪和線百舌鳥駅から徒歩約10分の住宅街にある「いたすけ古墳」。5世紀前半に築かれたものらしく、その一角にはコンクリート製の橋の残骸がある。この“よけいな橋”は、今でこそ途中で崩れているが、かつては対岸まで架かっていた。


過去の謎解きから、塚田と古川アナは、「もしかして古墳の中には、かつて神社があって、あの橋は、そこにお参りするためのものだったのでは?」と推測。この仮説を裏付けるために、いたすけ古墳の近くにある御廟山(ごびょうやま)古墳も調査した。すると、御廟山古墳に鳥居があり、同古墳が百舌鳥八幡宮の一部分だと判明。百舌鳥八幡宮にまで足を運んだ2人は、そこでも自分たちの仮説に自信を持つが、古墳と神社は無関係だった。

歴史探訪プランナーの森なおみさんによると、「実はあの橋は、戦争がなければ架ける必要がなかった」「橋がなかったら、百舌鳥・古市古墳群は世界遺産に登録されていなかったかもしれない」とのこと。橋が架けられた理由を塚田と古川アナに解明させるべく、「JRの線路を挟んで、いたすけ古墳の反対側に行ってください」「普通見かけないような違和感のある風景が出てくると思います」と、森さんはアドバイスした。


調査を再開した塚田と古川アナは、やがて「大仙公園」へ。園内には、複数の古墳のほか、堺市の戦没者らの鎮魂を祈る「平和塔」がある。この平和塔から古川アナは、「あの橋っていうのは、いたすけ古墳が大きな防空壕になっていて、地域の方々が逃げ込めるように架けていた」と推測。この仮説に塚田も同意し、最終予想にした。しかし、2人の推理は100点満点中……まさかの5点だった!

そもそも、森さんがアドバイスした「違和感のある風景」とは、大仙公園ではなく、道路整備によって大半が消滅して街になった名もなき古墳だ。森さんいわく、「実はあのいたすけ古墳もそういう(消滅の)危機にさらされた」そうだ。消滅危機のきっかけとなったのは戦火。堺は空襲で大きな被害を受け、戦後の住宅不足解消のため、実はいたすけ古墳も整地されて住宅地になる予定で、“よけいな橋”は工事用の重機や車両を入れるために架けられたものだった。

しかし、昭和30年に事態は急転。いたすけ古墳を守ろうという市民運動が起き、取り壊しは中止に。この運動は全国に大きな影響を与え、今日にいたる埋蔵文化財保護の先駆けになった。そしてその結果、多くの古墳が壊されずに済んだことで、百舌鳥・古市古墳群は世界文化遺産に登録されたのだった。

森さんいわく“よけいな橋”を残している理由は、「後世に対しての戒め」とのこと。彼女の一連の解説に、古川アナは塚田と一緒に納得。「後に世界遺産になるようなものを一度は取り壊そうとしたんだよっていう」「反省材料としてあえて置いていらっしゃる」と呟いた。
なお、この世界遺産ミステリーは、情報番組『newsおかえり』(毎週月曜~金曜午後3時40分、ABCテレビ)内の「古川×塚田のなんでやねん!?」6月3日放送回で紹介された。

