京都市下京区・北門前町にある朝6時半から行列のできるコッペパンサンド 創業78年の愛されるパン屋さんの父と息子に密着!!

京都の中心部から少し離れた街中に、行列のできるパン屋さんがあります。人気は1日に2000個も焼くコッペパン。そのおいしさの秘密に迫りました。

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京都市下京区にある「まるき製パン所」は創業78年。チョコレートやクリーム、フィッシュフライやコロッケなどを挟んだバラエティー豊かなコッペパンサンドをお目当てにやってくるお客さんで、朝から行列ができる人気店です。

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ふわふわでもっちり、変わらぬ味のコッペパンを焼いているのは、この道55年の“二代目”木元広司さん(77)と、息子で“三代目”の陽介さん(49)。親子のパン作りをのぞかせてもらいました。

まだ暗い早朝3時半、お店にやってきたのは陽介さん。すぐにオーブンを温め、昨夜から発酵させておいたパンを焼いていきます。また、平行して生地作りも。レシピは創業当時から変わっていません。パン作りを始めて30年の陽介さんですが、温度や湿気などで微妙に変わる生地作りは、まだまだ「難しい」そうです。

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5時半になると、従業員のみなさんも出勤。にぎやかにおしゃべりをしながら準備を進めていると、2階で寝ていた広司さんが起きてきました。もう少し休んでいてもいいのですが「ゆっくり寝てられへん」とのこと。やはりパンのことが気になって仕方ないようです。

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オープンは6時半ですが、10分前にはもう人が集まり始め、待ち遠しいのか店の中をのぞき込むお客さんも。開店時にはもう店の前に行列ができていました。

「9時くらいになるとすごく並ぶので、早く来ないと」と早朝からやってきたご近所の男性や、「やっと買えて、めっちゃテンション上がってるんです」とうれしそうな女性も。並んででも食べたいコッペパンサンドは飛ぶように売れていきます。

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【動画】メニューは甘いものから惣菜系まで全部で14種類。昔、近くに高校があり、登校時間にいろんなパンの注文が殺到したことから、挟む具さえ変えれば「何でもできる」コッペパンサンドを思いついたそう。

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広司さんは1947年生まれ。自動車整備士を目指していましたが、結婚と同時に奥さんの実家だった「まるき製パン所」を継ぐことに。がんを患い、店の2階で寝ていた先代に教わりながら、イチからパン作りを覚えたといいます。

「大変でしたね」と当時を振り返る広司さん。自動車なら、故障した箇所さえわかればすぐに直すことができますが「生きている」パン生地は「どこがおかしいのかわかりにくい」。それがわかるまで、長い時間がかかったそうです。

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そんな広司さんもまた、20年前に大腸がんに。そのとき助けてくれたのは息子の陽介さんでした。当時、陽介さんは28歳。入院や手術でしばらく働けなくなった広司さんから「帰ってきてくれ」と頼まれ、店を継ぐ決意をしたのです。

広司さんはもともと「まるき製パン所」を陽介さんに継がせたいと考えていました。パン屋で生まれた息子が「パン屋を継いでくれる」こと。その“バトン”を渡すことが自分の使命だと思っていただけに「このうえなくうれしかった」と広司さんはそのときの喜びを振り返ります。

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そんな父の思いをしっかりと受け止める陽介さんは「今あるものをしっかり守り続けて、お客さんに喜んでもらえるようにしていきたい」と決意も新た。これからも親子で、78年変わらず愛されるおいしいパンを作っていきます。

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京都で長年愛されるコッペパンサンドの人気店は、5月22日(木)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。

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