日本代表のレジェンド選手も、ニュージーランド代表のオールブラックスも虜に! ラグビーの聖地・花園で愛される79歳の“粉もん屋”店主に密着!
大阪・東大阪市にあるラグビーの聖地「花園ラグビー場」の近くに40年以上続く粉もん屋さんがあります。地元の人やラグビーファンに愛されるお店の79歳・名物店主に密着しました。
「花園ラグビー場」から歩いてすぐの場所にある、お好み焼きとたこ焼きの店「春美」は1983年創業。店内に入ると目に付くのは、壁や天井一面に貼られたサイン色紙。高校生や社会人チーム、日本代表をはじめ、なんとニュージーランド代表の「オールブラックス」まで、多くのラグビー選手がお店にやって来ます。
選手たちのお目当ては、変わらぬ味のおいしい粉もんと、おしゃべり好きの店主・奥野春美さん(79)。明るくて人懐っこく、誰ともすぐ仲よしになる春美さんの人柄に惹かれる選手は数知れず。大学・社会人と11度の日本一に輝いた元日本代表の大八木淳史さんも昔からの常連だそうです。
朝8時、お店のシャッターを開けて今日の仕込みを始める春美さん。10時には早くもお客さんの姿が。開店まで1時間半もありますが、春美さんは「かまへんよ」と当たり前のようにたこ焼きを作り始めます。来てくれたお客さんは大切にするのが春美さんのモットーなのです。
【動画】たこ焼きは6個300円。生地に長芋の粉を入れてしっとりさせるのは、ラグビー場で時間が経ってからもおいしく食べてほしいという春美さんのこだわり。
11時半、開店時間になりました。さっそくやってきた常連は50年以上のお付き合いというご近所さん。注文は、食べごたえ満点のお好み焼き。たっぷりのキャベツと卵2つを使っていて1枚800円です。
午後、春美さんに「バイバーイ」「ただいま」とひっきりなしに声をかけてくるのは学校帰りの小学生たち。どの子も顔見知りで、お店の前を通ったら挨拶してくれるそう。春美さんは子どもたちからも人気です。
そんななか、子ども連れのお母さんがやって来ました。注文は名物の「たこぼん」。ラグビーボールと同じ楕円形のたこせんにソースを塗り、青のりを散らして“芝生のラグビー場”に見立て、ボール代わりのたこ焼きにギュッと挟んで噛む。これが、「相手を噛む」というゲン担ぎになるそうで、ラグビー選手に大人気のメニュー。もちろん、地元の子どもたちも大好きです。
鹿児島県出身の春美さんは、高校卒業後、大阪で就職して観光バスのガイドさんに。24歳のとき、職場が同じだった夫・弘さんと結婚し、2人の息子も生まれました。
お店を開くきっかけは、高校ラグビーの応援に来た保護者に、自宅のトイレを貸したこと。そのとき、普通の住宅よりお店の方が気兼ねなく借りてもらえると考えそう。加えて、全国から花園に来る人に大阪名物を食べてもらいたいと、お好み焼きとたこ焼きの店を開業。以来、たくさんのラグビー関係者が訪れ、毎年全国から届く感謝の手紙は春美さんの宝物です。
そんな「春美」が大忙しになるのが、ラグビーの開催日。この日は社会人ラグビーの試合があり、お店には次々とお客さんが。愛知県から応援に駆けつけたという5人組は、花園に来たら必ず「春美」に寄るそう。そんなファンがひっきりなしに来店し、お店は相席になるほどの大盛況です。
試合が始まってお店が落ち着くと、春美さんもテレビで観戦。そして、試合が終わると再びお店はにぎやかになります。やって来たのは元社会人ラグビーの選手。現役時代からの常連で、ずっと変わらない春美さんの笑顔が「うれしい」と目を細めます。
そして、平日になればお店はまた地元の人の憩いの場に。春美さんを囲んでおしゃべりに花を咲かせます。年末から半年間、ラグビーシーズンは1日も休まず店を開ける春美さん。お客さんと楽しくおしゃべりするのが「元気の源」だそうです。
ラグビーの聖地で愛される“粉もん屋さん”は、5月14日(水)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。
