「交際したら金を借りられる」マッチングアプリで約6500万円をだまし取った男が告白! オンラインの出会いに潜む危険な落とし穴!

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マッチングアプリやSNSによる“オンラインでの出会い”で投資詐欺やロマンス詐欺に巻き込まれる人たちが急増しています。被害者と加害者、双方への取材から見えてきた、トラブルに巻き込まれないための秘訣とは?

大阪府に住む20代の大学生・優子さん(仮名)は、マッチングアプリで知り合った男性と交際。まもなく、男性の“妻”から手紙が届き、彼が既婚者で子どもまでいたことを知らされました。

男性が「優子さんにつきまとわれた」と妻に嘘をついていたため、浮気相手として責められ、傷つけられた優子さんは慰謝料などを求めて男性を提訴。訴えは認められましたが、音信不通になった男性と連絡が取れず、賠償金は支払われていません。

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神奈川県在住の60代の女性・池田さん(仮名)は、オンラインの出会いをきっかけに投資詐欺の被害に遭いました。Facebookに表示された投資の広告をクリックした後、招待されたLINEグループで“先生”と呼ばれる人物から個別に接触があったのです。

「直々に指導する」と投資を持ちかけられた池田さん。指示通りに金を振り込むと、口座の数字が増えたことから利益が出ていると信じ、借金までしてつぎ込んだ被害額はおよそ2000万円。その返済のため、池田さんは自宅を手放すことになりました。

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【動画】池田さんは同じ被害に遭った人たちとともに、詐欺広告を放置したとしてFacebookなどを運営するメタ社を提訴しました。

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オンライン、とりわけSNSをきっかけに起こる詐欺被害は急増しており、昨年の発生件数は1万件以上、被害額は1200億円を超えるまでに。SNSでのコミュニケーションについて研究する心理学者で、京都女子大学 現代社会学部の正木大貴教授は、悪意を持って他人を騙そうとする人にとって「SNSは非常に便利なツール」と話します。

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会ったことのない相手も、肩書きなどで信用してしまうSNS。ネット上のやりとりは好印象でも、実際に会ったときの行動や言葉に「この人、大丈夫?」と覚える違和感に「敏感であるべき」というのです。

“顔の見えない出会い”の落とし穴にはまり、複数の女性が被害に遭う事件も。昨年、6人の女性から現金や電子マネーをだまし取った詐欺などの罪で起訴された黒野輝紀被告(27)。その被害者の1人、奈良県に住む30代の春菜さん(仮名)が黒野被告と知り合ったきっかけはマッチングアプリでした。

やりとりを始めると、親の借金の返済にあてるはずだったボーナスが「ひったくられた」と黒野被告から連絡が。「金を返せなければ死ぬ」というただならぬメッセージに驚いた春菜さんは、指定された口座に17万円を振り込みました。

すると、何かにつけて金を要求され、応じなければ「職場に行く」「実家に押しかける」などと脅されるように。春菜さんは消費者金融から借金までして100回以上も現金を振り込み、総額1600万円以上をだまし取られました。

そんな事件の深層を探るべく、勾留中の黒野被告に記者が面会。法廷での供述なども調べていくと、マッチングアプリを悪用した詐欺の全容が見えてきました。

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なぜ、マッチングアプリを使うことを思いついたのか?黒野被告は過去に交際した女性から金を借りられたことがあり、「交際したらお金を借りられる」と考えたそう。恋愛感情を抱かせることで信用を得ようとしたのです。

別人の写真を勝手に使い、3つのアプリで多くの女性に接触。反応があった人とやりとりをし、金をだまし取っていきました。大学時代からギャンブルにのめり込み、借金も抱えていた黒野被告。犯行当時は仕事をしていませんでしたが、詐欺で得た金で十分に「生活が回っていた」ため、働こうとは考えもしなかったといいます。

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そんな黒野被告に人生を狂わされた春菜さん。背負った借金を「ひたすら働いて返済」する日々を送る今、「私は絶対にだまされない」と思い込み、知らない相手を信じてしまった当時の自分を振り返り、「(他の人に)同じ目に遭ってほしくない」とネットでの危険な出会いに警鐘を鳴らしています。

オンラインでの出会いに潜む危険は、4月15日(火)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。

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