圧巻の桜に歴史ロマン、日本最大の“秘仏”も! 直木賞作家・今村翔吾さんと鷲尾千尋アナウンサーが奈良・吉野で春爛漫旅!

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日本有数の桜の名所・奈良県吉野。奈良出身の鷲尾千尋アナウンサー(ABCテレビ)と直木賞作家の今村翔吾さんが、世界遺産「吉野山」の春を旅しました。

桜満開! 春爛漫の吉野にやってきた鷲尾アナと今村さん。出版されたばかりの今村さんの最新作『人よ、花よ、』は、ここ吉野が舞台です。時はおよそ700年前の南北朝時代。英雄・楠木正成(まさしげ)の息子、正行(まさつら)を主人公にした物語のゆかりの地をめぐりながら、吉野の歴史や“おいしいもの”を堪能します。

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まずは、日本古来の山岳信仰・修験道の総本山「金峯山寺」へ。ちょうどご開帳中だった本尊「金剛蔵王大権現」と対面します。巨大な3体が並び、中央の仏像は高さ7.3m。その迫力に「すごい!」と圧倒される今村さんと鷲尾アナ。

「日本最大の秘仏」とも呼ばれる金剛蔵王大権現。およそ1300年前、民衆を救う仏様を求め、修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)が1000日間も山にこもって修業した際、目の前に現れたのが金剛蔵王大権現なのだとか。

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下から拝むと目が合うのですが、そのときに叱られたと感じる人もいれば褒められたと感じる人もいるそうです。食いしん坊の“はらぺこわっしー”こと鷲尾アナには「最近ちょっと食べ過ぎちゃうか?」と戒める声が聞こえたそうです。

そして、この権現さまを役行者が最初に見たとき、その姿を桜の木に彫って奉ったのが金峯山寺の始まりとか。その桜の木がご神木となり、1000年以上前から祈りを込めて1本1本植えられてきたのが、現在の“吉野の桜”に。山を覆うように咲き誇る美しい桜は、1000年にわたる祈りの象徴なのです。

【動画】桜を眺めながら名物の「吉野葛」も堪能。出来たての葛餅は無色透明。「向こうの桜が葛餅越しに見えます!」と鷲尾アナも興奮!

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金峯山寺の門前にある和菓子屋さん「萬松堂」で、皇室にも献上した名物の「草餅」を味わった後は「吉水神社」へ。足利尊氏に敗れた後醍醐天皇が吉野に逃れ、南朝の仮御所を構えた場所です。2人を迎えたのは、境内から中千本と上千本の桜が一望できる、通称“一目千本”。山肌一面に約3万本の桜が咲く圧巻の眺めに、今村さんも思わず「ヤバない?」と声を上げます。

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重要文化財にも指定されている書院には、後醍醐天皇が座っていた“玉座”が。そのさらに150年前、鎌倉幕府を追われた源義経やお供の弁慶らが一時期滞在していたといわれる“源義経潜居之間”も残されています。

ちなみにここでは、あの豊臣秀吉も花見を楽しんだそう。当時はすでに“歴史上の人物”になっていた義経に思いを馳せた秀吉が「“義経もここ来てたんか”ってきっと言ってたはず」と今村さん。そんな歴史のロマンを秀吉も感じていたのかもしれません。

最後に向かったのは、『人よ、花よ、』の主人公・楠木正行ゆかりの寺「如意輪寺」。京都の北朝、吉野の南朝と2つの朝廷が争っていた南北朝時代、南朝の“若きエース”として活躍した正行。その最後の戦いとなった大阪・四條畷での決戦に向かう前、この寺に立ち寄り、扉に矢じりで“辞世の歌”を刻みました。

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その扉は今も大切に残されています。北朝・足利軍の圧倒的な兵力を前に勝てる見込みもなく、死を覚悟した正行の最後の句は「かえらじと かねて思へば梓弓(あずさゆみ) なき数に入る 名をぞとどむる」。もう帰ることはできないだろうから、名前をここに記しておくーー扉に刻まれた文字が壮絶な決意を伝えます。

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そんな正行も目にしたかもしれない如意輪寺の桜もまた、圧巻の美しさ。過去の歴史に刻まれた人物たちと、現在の私たちの立つ場所が時を超えて「ちゃんとつながっている」ことがわかれば「歴史の見え方が変わる」と今村さん。歴史の楽しみ方が広がる旅となりました。

直木賞作家・今村翔吾さんと、鷲尾千尋アナウンサーの吉野旅は、4月16日(水)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。

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