時速約100キロの車が行き交う道路で命がけの作業!常に「危険と隣り合わせ」高速道路の安全を守るパトロール隊に密着!

高速道路の安全を守るため、24時間365日奮闘する西日本高速道路の交通管理隊。車の荷台などからの落下物を拾ったり、故障車を移動させる支援をしたり――真冬のある日、忙しく危険な仕事に奮闘する隊員たちの姿を追いました。

京都にある「西日本高速道路関西支社 京都高速道路事務所」。京都府内の名神高速や第二京阪道路など6路線を管轄し、およそ50人のパトロール隊が高速道路の安全を守っています。

取材班が密着するパトロール隊が担当するのは、名神高速道路の高槻ジャンクションから京都東インターチェンジの間の26.1キロ。車を走らせていると、さっそく道路に落下物が見つかりました。

路肩に車を停めて回収に向かおうとしますが、落下物があるのは道路を渡った先の中央分離帯。次々とやってくる時速約100キロの車が行く手を阻みます。そこで、車の流れをやりすごし、途切れたタイミングですかさずダッシュ!

やっと回収した落下物は長さ50センチほどのトラックの部品。車が跳ね上げれば事故につながる恐れもあります。さらに、戻りも車が途切れる隙間を待つため、10分以上もその場に留まることもあるとか。まさに命がけの仕事です。
【動画】落下物には、建設現場で使われる手押し車や緩衝材の塊など後続車を直撃すれば大惨事になるものも!

さらに取材班は、この道27年のベテラン、久保太郎隊員(52)と相棒の福井優隊員(47)のパトロールにも同行。出発してまもなく、久保隊員が道路の異変に気づきました。車を降りて確認すると、車線の真ん中に穴が。大きさはスマートフォンほどですが、タイヤの細い二輪車がハンドルを取られ、転倒事故を起こす危険があります。

車が途切れるのを待ち、作業にとりかかる久保隊員。穴の中の小石を取り除き、路面補修材で埋める応急処置して写真を撮れば完了ですが、こちらも車が来ないわずかなタイミングを見計らいながらの作業。道路と路側を行きつ戻りつするうちに、いつの間にやら雪が降り出していました。このときの気温は5.3度。久保隊員も思わず「寒い!」と声を上げます。

さらにパトロールを続けていると、路肩に停まった故障車を発見。車内にいた運転手に声をかけると、どうやらエンジントラブルのよう。後続車が誤って追突しないよう三角コーンを設置した久保隊員。依頼したレッカー車が到着するまで、ヒーターがきかない極寒の車内で待つ運転手に、使い捨てカイロを渡す気づかいも。

そんな午前の仕事を終え、基地に戻った2人は昼休みに。愛妻弁当を食べながらほっと一息つく久保隊員に仕事のことや家族のことを聞いてみました。もともとは営業の仕事をしていましたが、「人のためになる仕事がしたい」と転職し、パトロール隊に入ったそう。

家族は妻と高校生のひとり娘。お父さんの仕事を応援してくれてはいますが、やはり心配は絶えないようで、「転職したら?」と言われることもあるとか。“無事に帰ってきてほしい”そんな家族の思いを背負い、午後のパトロールに向かいます。

午後4時、緊急無線が入りました。大型のタンクローリー車が、高速道路上で動けなくなっているというのです。しかも大量の危険物が積載されているとのこと。久保隊員と福井隊員の表情に緊張が走ります。

現場に到着すると、タンクローリー車は本線に合流するための加速車線の途中で立ち往生していました。積んでいたのは、1万リットルのトルエン。引火性が高いだけに漏れれば大惨事につながりかねませんが、幸い漏れはないようです。

しかし、高速道路上から動けずにいれば、後続車による追突事故が起こる危険も。パトロール隊の迅速な対応で、すぐにレッカー車が到着し、移動が完了しました。西日本高速道路の交通管理隊は、常に危険と隣り合わせの仕事をこなしながら、今日も高速道路の安全を守っています。
高速道路パトロール隊の活躍は、2月28日(金)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。
