ヒップホップ界レジェンド・KREVAが明かすリリック制作のこだわり「必ず手書きはします」
MC下埜正太がアーティストに「凸撃」訪問してインタビューする音楽トーク番組『音凸ちゅーずDAY』(ABCテレビ)。アーティストがレコードに書かれたトークテーマを「ちゅーず!」して、 下埜の詳しすぎる知識と話術を武器にちょっと攻めたギリギリトークを展開します。今回は、KREVAに凸撃!の第2弾。ソロ活動20周年を迎え、2月19日(水)にはニューアルバム「Project K」をリリースします。ABC magazineでは、OAには収まりきらなかったここだけの話もお届け!
【ニューアルバム『Project K』の制作過程や、ナビゲーターを務めるラジオ番組について語ったインタビュー前編はこちら】
■頭の中にある「リリック」の棚を半開きにしておく練習が大事
「リリック」(歌詞)で韻を踏むヒップホップのスタイルを、日本で広めた立役者の一人ともいえるKREVA。リリック制作について聞いてみると、作曲よりも大変な創作活動だと語ります。「音を作ることはずっと楽しいんです。よく例えてるのは、レベルが99で止まらないロールプレイングゲームみたいな感じだから、楽しくてずっと続けられるんですよ。だけどリリックは書けば書くほど自分の首が締まってくるというか、通ったことのある道が多くなるんです。だからフレッシュな言い回しやリリックを書くことは、どんどん難しくなっています。『よ ゆ う』(from album「LOOP END / LOOP START」)の歌詞にも書いているんですけど、<俺の中の俺のファンが>厳しいんですよ。だからこそ、ずっと戦い続けている感覚ですね」
どんな時もリリックを引用したり、フリースタイルで披露できる瞬発力もKREVAの魅力のひとつ。これについては「いつでも(リリックを)取り出せるように、日々歌ってないと駄目ですね」とコメント。フリースタイルのバトルによく出演していた時に練習していたそうで、「言葉が出てくるように、頭の中にたくさんある引き出しを全部半開きにしておいて、いつでも出し入れできるようにしておくイメージです。ラベリングはしていなくて、この棚には文房具が入っていて、とかなんとなくみんなも分かる感じがあるじゃないですか。それに近いんですけど、これは何度も回数を重ねないとできないんです」と分かりやすく解説してくれる場面も。
■ペンとリリックの相関性。手書きへのこだわりとは
リリックを手書きで書き出すことにもこだわりを持っていることでも知られるKREVA。「全工程を手書きということはないですけど、必ず手書きはします。iPadだと永遠にスクロールできるから、ずっと書けるのかなと思ってやってみたんですけど、逆に際限がなくてまとまらないことがあって。ノートならこのページの中で制限ができる。台本などのいただいたコピー紙を裏紙としてストックしておいて、それに油性ペンで書くことが多いですね。」とこだわりのスタイルを明かしてくれました。
今年1月には、KREVA20周年記念プロジェクト 原書展示販売会「ラッパーと紙とペン」が渋谷PARCOで開催され、書き留めたリリックのフレーズなどの原書70点以上が展示、販売会もありました。「いつかやってみたいなって思いがぼんやりあったんですけど、20周年を迎えるにあたって、これは絶対やろうと思って実現しました」。KREVAにとって念願の開催だったそう。「走り書きも多いし、あくまで(曲を作る)過程の一部なんです。俺がその手で書いた歌詞を持ってるだけじゃなくて、その過程の一部も誰かが大事に持っていてくれたら、そこに価値が生まれて、アート性が出てくるんじゃないかなと。それを見た誰かが頑張ろうと思ったり、何かパワーになれば」と展示に込めた思いも話してくれました。
文房具にも精通しているKREVA。ペンにもこだわりがあり、「新しいペンで書きたいと思う気持ちがリリックに繋がっていたり。逆に歌詞が書けない時に新しいペンを買って気分を上げてみることもあります」と、リリックとペンの意外な関係についても明らかに。
■「学び」の姿勢から生まれた楽曲とコントライブ
最後のトークテーマは、「Forever Student」。昨年ソロデビュー20周年の第1弾としてリリースされた楽曲です。この楽曲と、そして今のKREVAの姿勢にも繋がっているというのが、昨年開催されたイベント『KREVA CLASS -新しいラップの教室-』。
KREVAが脚本家・演出家である小林賢太郎とタッグを組み、コントとコンサートの両方の魅力を詰め込んだ “授業型エンターテインメント”で、大人から子供まで、誰でもラップが楽しめる新しい試みで話題を呼びました。この構想は、KREVAが尊敬してやまない小林賢太郎氏とタッグを組みたくてオファーしたところから始まります。「元ラーメンズでコントを中心にずっと舞台を作り続けてきた小林賢太郎さんを20年以上観ていて、一番尊敬している方なんです。自分が20周年で何がしたいか考えた時に、小林賢太郎とガッツリ一つの作品を作ってみたいと思った。ライブの中に面白い要素を入れ込む人っていうのはいるとは思うけど、本当のコント師とガッツリ組んでラップもしっかり魅せるものを作るというのは大きな挑戦でした。語尾の上げ方など細かいところもいっぱい直されて、ちょっともう心がもたないかなと思うような時もあったけど、その通りにしたほうが必ず良くなるので曲も作りつつでしたがなんとか乗り切ることができました」
「人生一番といえるぐらい頑張って完成することができました」とコメントした今回のニューアルバム『Project K』には『Forever Student』が収録されています。今のKREVAがぎゅっと凝縮された1枚をぜひお楽しみください。
KREVA
オフィシャルサイト https://kreva.club/
