大人の女性もハマる「カプセルトイ」人気の秘密に迫る! 数千万円の工作機械や家庭用ミシン、まさかの仮設トイレもカプセルの中に!?
近ごろ、街中のいたるところで見かけるようになった「カプセルトイ」の専門店。急成長する業界の裏側に潜入し、その人気の秘密を探りました。
大阪・心斎橋にあるカプセルトイ専門店「#C-pla(シープラ)」。1180種類ものカプセルトイに出会えるとあり、国内のみならず海外からも多くの観光客が訪れる人気店です。
外国人観光客に加え、目立つのが大人の女性客。お目当てのカップ麺のキーホルダーをゲットして喜ぶ20代の女性は、今日だけで4個もチャレンジしたとか。夫と一緒に訪れた女性は、集めたカプセルトイを結婚式のウエルカムスペースにも飾ったそうです。
女性たちはなぜこれほどカプセルトイにハマるのでしょうか?カプセルトイに関する著書もある専門家・小野尾勝彦さんによれば、近ごろの専門店は店内にキレイな装飾を施すなど、女性が入りやすい工夫が凝らされているとか。
加えて、親しみのある食べ物や雑貨を模したミニチュアアイテムなど、女性の心をくすぐる商品が増えたことで人気は拡大。かつては「子どものおもちゃ」だったカプセルトイのイメージは大きく変わりました。
カプセルトイ業界の市場規模は年々右肩上がりに増大。2024年は前年の640億円からさらに伸び、800億円を超えると言われています。市場を担うのは、アイテムの企画や製造を行う「メーカー」、アイテムを仕入れてマシンの置き場を交渉する「オペレーター」、マシンを置いて販売する「販売店」の3つです。
取材班が訪ねた「トーシン」は、オペレーターとしての業務を40年以上続けてきた会社。5年前から販売店の役割も担い、専門店を全国に展開しています。女性やインバウンド人気を追い風に、店舗数は4年前の14倍以上に急拡大。会社はますます成長を続けています。
そして、業界の急成長の原動力となっているのが、月に500種類以上のアイテムを新たに生み出すメーカーの存在。その中のひとつ、静岡県にある「トイズキャビン」は2017年に創業した若い会社です。
【動画】2012年に登場したカプセルトイ「コップのフチ子」シリーズは売上累計2000万個を突破する大ヒットを記録。業界活性化のきっかけとなりました。
「トイズキャビン」は、押すと音が鳴る「音モノ」のパイオニア的メーカー。細部まで作り込んだミニチュアやギミックを詰め込んだモノづくりが高く評価され、さまざまな企業からコラボのオファーも舞い込んでいます。
工作機械の世界的メーカー「ヤマザキマザック」とのコラボでは、数千万円もするマシンのモーターや機械内部までを手のひらに載るほどの小さなサイズで見事に再現。また、「ジャノメ」の家庭用ミシンや、業界大手「旭ハウス工業」が監修した仮設トイレをミニチュア化したユニークな発想のカプセルトイは、いずれも大きな話題を呼びました。
その一方、惜しくもヒットに結びつかなかったアイテムを振り返るのは、商品開発を担当する入社4年目の若林拓良さん。彼が企画した、セメントなどを混ぜ合わせる「コンクリートミキサー」のミニチュアは、ハンドルを回すとミキサーが回るギミックなどにこだわりましたが、商品の魅力がなかなか伝わらず、思うような売れ行きには至らなかったといいます。
そんな若林さんが生み出したヒット商品が、駅構内に設置されている「発車ベル・スイッチ」のカプセルトイ。ONのボタンを押すと発車のメロディが、OFFを押すとアナウンスが流れる仕掛けに人気が集まり、会社に併設したショップで1日に100個以上売れたことも!
大好評を受け、「もっとがんばって、いろんな商品を出したいと思う」と意気込む若林さん。アメリカで生まれ、日本に渡ってきて今年で60年になるカプセルトイ。夢とロマンが宿ったカプセルは、人々をますます虜にしています。
カプセルトイの人気の秘密は、1月8日(水)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)の特集コーナーで紹介しました。