テレビカメラが初密着!ゴミ箱から注射器が…関空 税関取締部門の“水際の戦い”

©️ABCテレビ

1日におよそ8万人が利用する関西の空の玄関口「関西国際空港」。世界58路線が就航する空港で、海外から不正な薬物などが入らないよう、水際で日本の安全を守る関西空港税関支署「取締部門」の1日に、テレビカメラが初めて密着しました。

税関といえば手荷物検査のイメージがありますが、取締部門の仕事は広大な空港を隅々まで調べ、不審な人や物を取り締まること。24時間、2人1組で業務に当たります。

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今回の密着取材では、上席監視官と監視官の2人の職員に同行。午前9時半、まずは多くの飛行機が停まる駐機場へ。車で場内を巡回しながら、荷物の運搬状況のほか、不審な人物や車両がないかにもチェックします。

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飛行機に関わるスタッフに対しても、所属のわかるパスの提示を求めるなど抜き打ちで検問や取り締まりを。飛行機から出たゴミ袋も検査し、不審な持ち出しなどがないか丹念に調べます。

さらに機内では乗客が降りた直後の座席やポケット、さらにトイレの中も手作業で丁寧に確認します。座席やトイレなどに、密輸しようとしていたものを捨てていく例も少なくないそう。不正な持ち込みを入国審査前に見つけるのが取締部門の大切な仕事のひとつです。

【動画】去年8月、愛知県の中部国際空港では、台湾発の飛行機の座席シートの下から約6キロの金塊が出てきたことも。

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巡回中、職員に緊急の通報が入りました。急いで向かったのは、出発ロビーに設置された、礼拝をするための祈祷室。ゴミ箱の中から、使用済みの注射器が見つかったのです。

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微量の不正薬物も検知できる機械にかけ、検査を行ったところ、医療用の薬の注射器と判明。不正な薬物などは検出されませんでしたが、清掃スタッフなどが発見した不審物の通報を受け、直ちに調査に向かうこともしばしばだそう。

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続いて向かったのは、国際線が到着する第1ターミナル。到着便から次々と降りてくる乗客を監視するなか、不審な動きをする人物を発見。50〜60代くらいの欧米系の男性が、監視官の姿を見た瞬間に目線をそらしたり、逆に何度も見たりと、ほかの乗客とは違う動きを見せたのです。

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別の場所にいた上席監視官も追いかけ、確認した対象は東南アジアからの便で来たイタリア国籍の2人組。すぐさま、荷物検査を行う税関の「旅具部門」と連携し2人の荷物を調べます。結果、不審なものは見つかりませんでしたが、大阪税関ではこのような検査により、去年1年間で約270キロの不正薬物などを押収しています。

夜も更けたころにやって来たのは、乗客の荷物や貨物を入れるコンテナが空の状態で置かれているエリア。コンテナが密輸に利用されるケースもあるため、不審な人影はないか、暗い中で目を光らせます。

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最終便も終わり、静まり返った空港内でも巡回は続きます。不審な薬物を投棄する人は本当に見つかりたくない一心で捨てるもの。そこで、トイレの備品の裏など「隠せそうなところ」はすべて確認していきます。

その後、仮眠をとった職員たちは、翌朝、再び監視業務へ。乗客の不審な動きを見逃さず、乗客がいなくなった後もゴミ箱や小さな隙間などを細かくチェックします。

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そして午前9時半、24時間の業務がようやく終了しました。「安心安全な社会の実現が税関の使命」と地道な作業をコツコツと重ねる取締部門の職員たち。水際で日本を守るため、今日も空港内で監視を続けています。

関西国際空港の「取締部門」の1日は12月6日(金)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)の特集コーナーで紹介しました。

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