部屋を探す高齢者の4人の1人が経験 年齢を理由に「けんもほろろに断られる」住宅“貸し渋り”の実態

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高齢を理由に賃貸物件の入居を断られるケースが相次いでいます。部屋を探す高齢者の4人に1人が経験したという調査も。高齢者への住宅“貸し渋り”の実態を追いました。

奈良県天理市内のアパートに暮らす川本百合子さん(77)。足腰が悪く、生活保護を受けています。若いころに結婚もしましたが、20年以上前に離婚し、現在はひとり暮らしです。

今のアパートに住んで15年。愛犬のリリーちゃんと一緒に過ごしてきましたが、今年、建物の老朽化を理由に大家から立ち退きを求められ、住み慣れた部屋から引っ越すことになりました。

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ところが、思わぬ壁が。市役所に相談するも市営住宅は老朽化のため入居できず、自分で住居を探すよう言われた川本さん。不動産会社をあたりましたが年齢を理由に入居を断られ、「行くとこなかったら死ななあかん」と途方に暮れるばかりです。

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このような高齢者への貸し渋りは全国的な問題となっています。国交省の調査では、高齢者の入居に拒否感があるとした大家らは66%。理由は孤独死や事故の危険性、亡くなった場合の持ち物の取り扱いの難しさなどです。

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大阪府守口市に住む中川忠良さん(81)も貸し渋りに悩まされたひとりです。同居していた姉が亡くなり、収入が中川さんの年金のみに。支出を抑えるために安い物件を探しましたが、やはり年齢を理由に「けんもほろろに断られた」そうです。

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そんな中川さんの助けになったのが「居住支援法人」。高齢者や障害者など住宅確保に配慮が必要な人に対し、情報提供や相談、入居の見守りなどの支援を行うよう都道府県が指定する法人です。

【動画】居住支援法人には社会福祉法人や不動産会社が指定されるケースが多く、今では全国928法人にまで広がっています。

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相談を受けた大阪市内の居住支援法人「リベルタ」の荻野恭子さんは、高齢者の受け入れに積極的な「同じ志を持つ不動産会社」を中川さんに紹介。部屋探しを始めてから1年半、ようやく新居が見つかりました。部屋を借りたい高齢者をサポートするためには、不動産会社との「連携が大事」と荻野さんは話します。

その一方、居住支援には高齢者ならではの大変さも。天理市にある居住支援法人「やすらぎ会」で働く北中桃代さんは、転居を希望する高齢者の相談に乗っていて、貸し渋りに悩む川本さんの依頼も受けています。

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北中さんによれば、高齢者の住宅探しの難しさは「条件が多岐にわたること」。家賃が年金から払っていける金額であることや、病院やスーパーが近いこと、親族と疎遠で保証人になれる人がいないなど、クリアしなければならないことが多いのです。

そんな相談者の希望に応えるため、不動産会社を何社も回る北中さん。実際に会って話をすることで信頼関係を築き、より踏み込んだ話も聞きやすくなるといいます。

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後日、物件の情報を持って川本さんのお宅へ。“今の物件と同じくらいの広さと家賃”“愛犬のリリーちゃんと住める家”という川本さんの希望をすべて満たす物件はなかなか見つからず、新居探しは難航中です。

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しかし、この日に北中さんが見つけてきた家は、不動産会社がオーナーに交渉して“ペット可”にしてくれたことで、希望に大きく近づきました。さっそく内覧した川本さんは「思ったよりええやん」と気に入り、「ここにしとくわ」と即決。入居後も北中さんは川中さんの見守りを続けていきます。

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貸し渋り問題に真正面から向き合う居住支援法人。北中さんは支援の中身が貸主側にまだあまり知られていないことが課題だといいます。「オーナーさんが懸念されてるリスクや不安を解消していける。そういったところを広く知っていただきたいなと思います」。

高齢者の住宅貸し渋り問題は11月6日(水)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。

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