大河ドラマ女優・見上愛 「エゴサを全くしないんですけど・・・」反響がすごかった大河ドラマ
大学生5人の群像劇を、ヒロインの回想形式で紡ぐハートウォーミングな秋ドラマ『マイダイアリー』(毎週日曜夜10時15分〜/ABCテレビ・テレビ朝日系列全国ネット)。清原果耶演じる主人公の親友・長谷川愛莉を演じるのは、大河ドラマ『光る君へ』(NHK)で一条天皇の后・藤原彰子を演じて話題の見上愛。インタビュー後編では、主演作も相次ぐ新進女優の出発点や転機、いまハマっているものなどを聞きました。
——『マイダイアリー』に出演中ですが、見上さん自身、日記を書かれたことは?
全然、書いてこなかったんです。でも最近、友達と英語で交換日記を始めました。
——交換日記を、英語で?
英語の練習になるかなと思って(笑)。交換日記はアプリでできるもので、相手の日記を読むことも、それに対して自分が思ったことを書くことも勉強になるかなと。毎日じゃなく、お互いのタイミングで書くようにしていて、いま2ヶ月くらい経ちます。こういう形なら、ゆるやかに続けられるんじゃないかなと思うんです。
——見上さんが人生の日記を振り返るなら、「この日は外せない」という転機は?
たくさんあるんですけど……今の仕事につながるものなら、高校1年の途中で演劇部に入った日ですね。演劇を見るのにハマって、裏方の仕事に就きたいと、ハンドボール部から転部したんです。
——演劇にハマったきっかけは何だったんですか。
2.5次元の舞台です。劇場には作品や俳優さんのファンの方々が多くて、最初は熱量についていけなかったのですが、終わったときに、明らかにみんながパワーをもらっている空気を感じて、「今日のために、みんな頑張ってきたんだな」と。そこで初めて生(なま)でやるものの力を感じたんです。それから両親が「2.5次元以外も見よう」と誘ってくれて、演劇にハマりました。
——好きな演劇人は?
高校の演劇部で寺山修司をやっていたので、ずっと寺山修司ファンです。(編注・寺山修司は劇団「天井桟敷」を主宰した劇作家、映画監督、詩人、歌人。1983年没)
——言葉が詩的で、ストーリーは難解だったりしますよね?
そうですね。自分が役者としてやるには難しいと思うんですけど、そういうわかりやすすぎないものが、どのコンテンツにおいても好きなんだなと感じます。説明が少ないぶん、余白があって、余韻が残るというか。自分を投影する隙間がある作品が好きですね。
――大河ドラマ『光る君へ』では、紫式部が仕える藤原彰子役で脚光を浴びています。自身の周囲に変化は感じますか?
私はエゴサ(エゴサーチ)をまったくしないんですけど、それでも反響の声が入ってくるので、大河出演はやっぱりすごいことなんだなと思いました。SNSへのコメント数も増えて、「ここが良かった」と感想を送ってくださる方や、街で声を掛けてくださる方も増えました。
——今感じる、女優業の楽しさは?
なんだろう……。楽しいんですけど、楽しさの理由が何かをずっと探しながらお仕事をしている感じがします。たぶん、そうやって答えを探す作業自体も楽しいんだろうなと思います。
——『マイダイアリー』は、どんな作品にしたいですか。
私はもう、共演のみなさんに乗っかるまでです(笑)。特に大きな何が起こるわけではなく、何気ない日々を描いていて、その何気ない日々を思い出す瞬間が、大人になると増えてくると思うんです。意味がないと思っていた会話が、実はすごく大事だったなと思う瞬間が増えるというか。そういう感覚を、見ているみなさんにも感じてもらえたらうれしいです。
——今後は、どんなふうに歩んでいきたいですか。
昔ほどの熱量ではないですけど、舞台の演出はいつかやりたいと思っています。何かにとらわれることなく、好きなこと、好きな表現をして生きていきたいですね。あと、ずいぶん前から陶芸にハマっているので、時間ができたら、もっと極めたいです。
(取材・文/泊 貴洋)
ヘアメイク:豊田健治
スタイリスト:下山さつき
【第5話あらすじ】
長谷川愛莉(見上愛)と久々に電話で話した恩村優希(清原果耶)は、愛莉から似顔絵を描いている時の気持ちを打ち明けられる。電話を切った後、愛莉の言葉に触発され、徳永広海(佐野勇斗)の似顔絵を描き始める優希。だが、その手はすぐに止まってしまう。ため息混じりにうつむいた優希は、その目に映る自分の靴下を見て、人生の日記を読み返す…。
――1年前の2月。期末テストに臨む優希は、インドカレーで気合いを入れようと提案するが愛莉と白石まひる(吉川愛)に却下されたため、広海と二人で行くことに。すでにテストが終わり、その日は昔の仲間の集まりがあるという広海は、いつもよりかしこまった服装で現れる。広海のシャツにカレーが付かないよう気を配る優希。だが、広海は自身が落としたスプーンで靴下を汚してしまう…。広海は、優希をテストに送り出した後、一旦帰宅。汚れた左足だけ別の色の靴下に履き替え出かけていく。
一方、テストが終わった優希、愛莉、まひるの3人は、和田虎之介(望月歩)が働くファミレスに集結。5人全員のテストが終わったことを確認した虎之介は、早速『第2回心のふるさと会』の春休み開催に向け動き始める。その頃、広海はギフテッドの子供たちを支援する財団の同窓会に足を運んでいた。靴下の件で遅刻し、会場に入れず右往左往している広海に、同窓生の増田克弥(福崎那由他)が声をかけてくる。笑顔を浮かべる克弥の靴下は、広海と同じく左右が色違いで…。
ドラマ「マイダイアリー」は、ABC・テレビ朝日系列で毎週日曜よる10時15分放送。放送終了後、TVer、ABEMAで見逃し配信。