【ドラフト会議2024】智弁学園・前川右京選手(阪神)の同期!フォームと制球力が光る。将来性抜群の左腕・社会人ピッチャー西村王雅選手とは【スカイA】

2024年8月27日 社会人野球関東選抜リーグ 等々力球場
Honda0-4東芝

西村王雅(東芝) 20歳 投手 171㎝75㎏ 左投左打 智弁学園

©️野球太郎

社会人野球の選手というと即戦力が期待されることが多いが、中には将来性を買われて指名されるケースも存在している。今年その候補として可能性がありそうなのが東芝のサウスポー、西村王雅だ。智弁学園では入学直後から投手陣の一角に定着。3年夏にはチームの甲子園準優勝にも大きく貢献しており、当時のピッチングが印象に残っている高校野球ファンも多いのではないだろうか。社会人ではここまで大きな大会での目立った活躍はないものの、着実に力をつけてきている。その成長ぶりを大きくアピールしたのが8月に行われた関東選抜リーグの対Honda戦だった。先発のマウンドに上がった西村は立ち上がりから4者連続三振を奪うと、3回までは1人の走者も許さずに6奪三振という圧巻の投球を見せたのだ。4回と5回にはヒットを許して走者を背負ったものの、最終的には5回を投げて被安打3、四死球0で無失点と試合を作り、チームを勝利に導いた。

 この日のストレートの最速は143キロとスピードガンの数字は平凡だったが、それでもここまで相手を抑え込めるのには理由がある。それがフォームと制球力の高さだ。球持ちが長く、腕を振ってからボールが出てくるように見えるため、打者はどうしてもタイミングを合わせるのが難しい。また指のかかりも素晴らしく、右打者にも左打者にも狙って内角に速いボールを投げることができていた。カーブ、スライダー、ツーシームなどの変化球もしっかり操ることができており、腕の振りが変わらないというのも長所だ。二回り目以降は少し相手打者に慣れられた感じがあり、プロで勝負するにはもう少し出力を上げる必要がありそうだが、20歳(早生まれ)という若さを考えるとまだまだ成長の余地はあるはずだ。  冒頭でも触れたように社会人での実績がまだ乏しいため、もう1年チームに残留してからプロ入りを狙うという可能性もありそうだが、早めに指名してプロで鍛えたいと考える球団もあるのではないだろうか。果たして西村がどんな評価となるのか。ドラフト当日の結果にぜひ注目してもらいたい。(スポーツライター西尾典文)

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