ABCマガジン編集部が選んだ「熱闘甲子園」必見の5選 グッときた名場面 感動したシーン(後編)

8月7日から開幕した「夏の甲子園(第106回全国高等学校野球選手権大会)」は京都国際(京都)が優勝し閉幕しました。選手たちの活躍や涙、応援する人たちの思いなど甲子園球場の熱気を余すところなく伝えてきた「熱闘甲子園」の中から、番組をすべて見てきたABCマガジン編集部がグッときた名場面、感動したシーン5選をお届けします。今回はいよいよ5選のうち残り2選の発表です。

【動画】まだまだ終わらない今年の「熱闘甲子園」 見たい名シーンをもう一度

【特選「熱闘甲子園」その4】 
3回戦「早稲田実(西東京)×大社(島根)」激闘!伝統校対決 まさかの作戦

創部100年を超える伝統校対決。先制点は大社、地元島根・大社町から集まった紫色のアルプスが沸きます。1-0の6回、早稲田実も1点を返し同点。さらに7回、大社はエラーにより思わぬほころびから勝ち越しを許します。1-2でむかえ後がない大社の9回裏の攻撃、今度は逆に早稲田実がエラー。チャンスを広げた大社はついにスクイズで同点に追いつき、さらにサヨナラの場面が続きます。ここで早稲田実がとった守備陣形はレフトの選手をピッチャーの横に配置し5人で守るという奇策。バッターの打球は、まさにそのレフトから内野の守備についた西村悟志選手の方向に転がり、ダブルプレーで早稲田実はサヨナラのピンチを切り抜けます。18年前の夏を制した早稲田実の意地。もうここまででかなりの大熱戦です。

【動画】記録上では非常に珍しいレフトゴロで7-3-2のダブルプレー

2-2のまま試合は延長タイブレークへ。ノーアウト1・2塁の状況から両チーム始まりますが、お互いにバントを決めさせない鉄壁の守備に甲子園がどよめきます。古田敦也さんも「難しいプレーですが、鍛えられたプレー。だからこそ素晴らしい試合になった」と大絶賛。11回裏、大社はこの夏初めて打席に立つ代打の安松大希選手がついにバントを決めます。ノーアウト満塁。打順が回ってきたのは先発の馬庭優太投手でした。見事ピッチャー方向へはじき返し激闘に終止符を打ちました。93年ぶりのベスト8を決めた大社。今大会屈指の好ゲームでした。

【動画】早稲田実の鉄壁バントシフトを破り ついに出塁する安松選手の見事なバント


【特選「熱闘甲子園」第1位】 
準決勝「神村学園(鹿児島)×関東第一(東東京)」先輩の思いを糧に決勝へ

 2年連続ベスト4となった神村学園。1年前、準決勝で涙をのんだ今村歩夢・前主将は甲子園の土を持って帰りませんでした。当時まだ2年生の選手たちに「日本一になって、日本一の土を持って帰ってきてください」と自分の後を託したのです。去年のベンチメンバーが多く残る神村学園が先輩の思いを糧に決勝を目指します。

 先輩たちが届かなかったものを掴むため、ここまでやってきた神村学園。4回、去年から4番に座る正林輝大選手がヒットで出塁します。ここまで全試合タイムリーの上川床勇希選手が先制打となるヒットで続き、選手たちのお母さん軍団も抱き合って喜びます。

 関東第一は6回からエース坂井遼投手がマウンドへあがり、神村学園の打線の勢いを止めに入ります。続く7回裏の守りでは、神村学園のエース今村拓未投手がこの試合で初ヒットを許し、ランナー2塁のピンチを迎えます。神村学園と同じく初の決勝進出を目指す関東第一も意地を見せ同点に追いつくと、さらに続く8番市川歩選手の打球が相手のミスにつながり、すかさず逆転に成功しました。

9回表、神村学園の攻撃、差は1点。打席に立つのは1年前に先輩から思いを託された正林選手、岩下選手、上川床選手でした。この回トップバッターの正林選手はアウトになりますが、岩下選手、上川床選手が連続ヒットで出塁します。2アウト1塁・2塁で打席には今大会初打席の玉城功大選手。両チームの母親たちもそれぞれの子供を信じて祈るなか、今年こそここでは終われない、その思いを受けて玉城選手が打った球はセンターへ転がります。同点に向けて2塁ランナーは3塁をけって本塁へ。しかし、センターからのバックホームは見事にキャッチャーが構えた所へ吸い込まれ、間一髪でタッチアウト。関東第一が接戦をものにしました。あと一歩、ほんの一歩、届かなかった決勝への道のり。宿舎で泣きながらお互いへの気持ちを伝える選手たちに涙を誘われます。そして神村学園の一番の味方である「お母ちゃん軍団」へ子供たちがそれぞれ感謝の思いを届けると温かく抱きしめ返すお母ちゃんたちの姿はまさに日本一なのでした。

【動画】9回2アウト 一打同点のピンチに関東第一はセンターから見事なバックホーム 

今年も数々の名勝負が繰り広げられた夏の甲子園。全ての試合は、出場した選手・家族・応援する人たちにとってかけがえのないものでした。今回紹介した5試合は、ABCマガジン編集部が「熱闘甲子園」を見てグッときた、感動した回をご紹介しました。「熱闘甲子園」は8月31日までTVerで見ることができます。あなたにとってのベストゲームはどの試合だったでしょうか? ぜひ見つけてください。

番組情報

熱闘甲子園
8月7日(水)〜決勝戦まで放送 ※変更の場合あり ※雨天等で全試合中止時は放送休止

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