くも膜下出血で倒れた母「抱きしめたのは赤ちゃんのとき以来」 惜敗した息子・神村学園(鹿児島)スラッガー正林輝大を称えて涙
8月7日から開幕した「夏の甲子園(第106回全国高等学校野球選手権大会)」準決勝で、神村学園(鹿児島)は関東第一(東東京)に惜敗して、ベスト4に終わった。神村学園の4番スラッガー・正林輝大選手をここまで支えたのは、くも膜下出血で一時は生死をさまよった母親だった。
【動画】あと一歩、ほんの一歩届かず……。関東第一が超絶バックホームで神村学園の同点本塁を阻んだ、衝撃ゲームセットの瞬間
2年連続で夏の甲子園準決勝まで勝ち進んだ神村学園。3年生の正林輝大選手は、2023年の夏の甲子園から4番打者としてチームをけん引し、U-18高校日本代表候補に選ばれた超強力スラッガーだ。彼を支える母親は、実は4年前にくも膜下出血で3日間も生死をさまよったことがある。彼女が一命をとりとめ、今も元気にアルプススタンドに立てるのは、息子である正林選手を応援したいという思いがあるからだ。
そんな母のエール、そして先輩たちから託された「日本一」という悲願を胸に、正林選手たち神村学園は8月21日の準決勝で関東第一と対峙した。ベスト4の壁をなんとしてでも超えたい神村学園は、4回表に正林選手がヒットで出塁し、仲間たちがつないで先制点を獲得! その後しばらく1点リードで突き進む神村学園だったが、7回裏で関東第一に2点を与えてしまった。
9回表、1点を追う神村学園は、連続ヒットで反撃のチャンスを作ることに。さらには、代打の3年生・玉城功大選手が粘ってセンターへヒットを放った! しかし、関東第一のセンターのスーパーバックホームにより、神村学園の2塁ランナーが本塁タッチアウト。劇的な幕切れで関東第一が決勝へ初進出となり、神村学園は2年連続で準決勝敗退となった。
あと一歩、ほんの一歩届かず、神村学園ナインや彼らの母親たちは号泣した。悲願は叶えられなかったが、それでも昨年の先輩に並ぶベスト4に輝いたことは、神村学園にとって誇りだ。試合後、「お母さんのサポートとか応援が力になって、ここまで頑張れました」と語った正林選手に、母親はうれし泣き。彼女は正林選手を思いきり抱き締めて、「頑張りました。お疲れ様、ありがとう」「(抱きしめたのは)赤ちゃんのとき以来です」と笑顔で語った。
なお、初の決勝進出をかけた神村学園と関東第一の劇的な試合のハイライトは、8月21日に放送された「熱闘甲子園」で紹介された。