紫外線アレルギーでも諦めなかった大好きな野球 北陸(福井)水野伸星、夏の甲子園で敗れるも「自分は幸せ」

8月7日から開幕した「夏の甲子園(第106回全国高等学校野球選手権大会)」には、紫外線アレルギーを抱えながら野球に打ち込んできた選手がいる。その選手とは、北陸(福井)の水野伸星。医師から競技転向を勧められても野球を続け、夏の甲子園で最後の最後まで白球を追った水野選手に胸が熱くなる。

【動画】紫外線アレルギーを乗り越え、夏の甲子園初ヒット! 北陸(福井)水野伸星選手の強い思いが、野球の神様に届いた瞬間

北陸の3年生・水野伸星選手が、真夏でも長袖のユニフォームを着ているのには理由がある。それは、彼が紫外線アレルギーを抱えているから。本人いわく、「日光に当たると唇とか耳とかが日焼けして、水ぶくれができたり、ただれたりして……」という。

水野選手が紫外線アレルギーを発症したのは、小学5年生の頃。野球を始めた1年後のことだった。彼は、仲間と同じ丸刈りにできず、日焼け止めを何度も塗り直さなければならない。ハンデを抱える水野選手のことを、仲間たちは、「そういうの(=紫外線アレルギー)を抱えながら、みんなと同じように頑張っているのですごい」と思っている。

医師から屋内競技への転向を進められた水野選手だが、どんな過酷な状況でも、野球を諦めることは一度もなかった。「野球をやっているときが一番楽しい。自分は野球が好きなので」と本人は笑顔だ。「野球がめっちゃ好き」という純粋かつ強い思いがずっとあったからこそ、彼は夏の甲子園にたどり着けたのだろう。そんな水野選手ら北陸は、8月12日に行われた第4試合で、関東第一(東東京)に挑んだ。

北陸が1点リードする3回表ノーアウトで、打席に立ったのは水野選手だ。この場面で、水野選手は初ヒットを決め、仲間のおかげで2塁に進んだが、夏の甲子園出場9回を誇る関東第一にホームベースを踏ませてもらえなかった。その後も北陸は無得点のまま、逆に関東第一から7点も奪われる事態に。9回表まで北陸は勝利を諦めなかったが、得点できないまま最終的に関東第一に1対7で敗れた。

試合直後に涙を流した水野選手だが、ここまで野球を続けて良かったという思いは、負けても変わらない。「夢のような場所で、とても楽しかったです。大好きな野球ができて、自分は幸せだと思います」と、どこか清々しい表情で語った。

なお、水野選手ら北陸の試合ハイライトは、8月12日に放送された「熱闘甲子園」で紹介された。

番組情報

熱闘甲子園
8月7日(水)〜決勝戦まで放送 ※変更の場合あり ※雨天等で全試合中止時は放送休止

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