「ごめん」「ごめんって言うな。十分だって」 主将親子の号泣抱擁に涙腺崩壊…北海道・別海から甲子園を目指したラストサマー
8月7日から17日間開催される、「夏の甲子園(第106回全国高等学校野球選手権大会)」にたどり着けなかった高校球児たちの、知られざる人間ドラマが明らかになった。北海道別海高等学校(以下「別海」)野球部キャプテンと、彼の父親が見せた“号泣抱擁”に、もらい泣きさせられる……。
【動画】夏の甲子園へたどり着けず、号泣した北海道・別海のキャプテン。彼は、漁師の父親に手紙を渡し……?
別海野球部でキャプテンを務めるのは、3年生の中道航太郎選手。彼を応援する父親は漁師だ。「朝早いですし、肉体労働なので、カッコイイなって素直に思います」と、中道選手は父親を尊敬し、高校卒業後は家業を継ぎたいと夢見ていた。しかし、センバツ出場を経験したことで、「大学野球をやってみたい」という新たな夢が芽生え、進路を迷っている。中道選手は、そんな将来の悩みを今だけは心の中にしまい、夏の戦いへ向かった。
支部予選を突破し、迎えた北北海道大会1回戦。中道選手率いる別海の対戦相手は、夏の甲子園出場3回を誇る白樺学園高等学校(以下「白樺学園」)。強敵だが、別海ナインには別海町民約200人の力強いエールがある。約4時間もかけて応援に駆けつけてくれた中道選手の父親ら町民たちのために、別海ナインは必死だった。しかし、別海ナインは自分たちのペースをつかめないまま、白樺学園に8点差をつけられて7回裏を迎えてしまった。
この回で2点以上とらなければ、別海の夏は終わってしまう……。そんなピンチに別海町民の心を震わせたのは、中道選手だった。打席に立つ彼の心にあったのは、「応援してくれた人たちに恩返しがしたい」という強い思い。その思いは白球を見事とらえ、ヒットを生んだ。最終的に、別海は白樺学園に7回コールドで負けてしまったが、最後まで諦めずに白球を追い続けた中道選手らの姿は、間違いなく町民の心の中に残り続けるだろう。
試合はもちろん、中道選手と彼の父親の抱擁にも胸が苦しくなる。応援に駆け付けてくれた父親に、中道選手は「ごめん」と号泣したのだ。「ごめんって言うな。十分だって。たくさん良いところを見せてもらったって」と笑顔で中道選手を抱きしめる父親も、その頬には涙が伝っていた。彼ら親子に、もらい泣きせずにはいられない……。
なお、号泣必至のこの映像は、8月4日に放送されたスポーツバラエティ番組『ぺこぱのまるスポ』で紹介された。同放送回の企画は、高校野球尽くし。「高校野球ふるさとの絆SP~あなたのおかげでここまで来れた~」と題して、前半・後半の2部制で放送された。