初の全員集合スペシャルで河合郁人とA.B.C-Z塚田僚一がやらかし連発! 滋賀・長浜と福井・敦賀をつなぐ鉄道が乗せて走った“みんなの夢”とは?
タレントの河合郁人とA.B.C-Zの塚田僚一が7ヶ月ぶりに対面を果たした、『newsおかえり』火曜日の人気コーナー「真相追究バラエティ『なんでやねん!?』」の全国大調査スペシャル第4弾。今回の謎、滋賀県長浜市にある“バランスが悪すぎる信号”の真相を探るべく河合と塚田、ABCテレビのアナウンサー・古川昌希の3人が初めて一堂に会し、日本全国にまたがるミステリーに迫った。
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河合と塚田がレギュラーを務める「なんでやねん⁉」は2人が交互に出演するため、ロケでの共演はこれまでゼロ。今回のスペシャル第4弾で、番組始まって以来4年目にして初めて古川アナ含む3人での調査となった。番組冒頭から河合は「塚ちゃんと会うのは(自身がグループを脱退した)12月21日ぶりだからね」と明かすと、塚田も再会に嬉しそうな表情を見せる。
さて、今回の謎である“バランスが悪すぎる信号”は滋賀と福井の県境にあるトンネルの前にある。一見どこにでもありそうな普通の信号だったが、観察していると青信号になっている時間が極端に短いことに気づいた。実際に時間を計ってみると、青の時間は約13秒、赤の時間は約3分と点灯時間のバランスが悪すぎる信号だった。
なぜこんなにも時間差があるのか? トンネルは狭く、車1台が通るのがやっと。しかも距離も長いため、交互に通行しなければならない。トンネルを挟んだ両方向とも赤である時間が長く必要であるため、こんなにバランスが悪いのではないだろうか。実際、トンネル近くには説明看板があり、この「柳ケ瀬隧道」と呼ばれるトンネルは明治17年に完成、1352メートルと当時の日本最長の長さを誇るトンネルであることがわかった。
さらにその隣には初代内閣総理大臣を務めた伊藤博文の名と、『萬世永頼』と刻まれた石碑も発見。由緒あるトンネルのようだった。ここで河合は、車1台しか通れない幅から「もともと車のトンネルじゃない気がする」とかつて別の役割を担ったのではないかと推理した。
実際に車でトンネル内を走ってみると、狭くて暗いそれはとても車両用とは思えない。ところどころに横穴もあり、レンガ造りの壁もあった。トンネルを抜けたその先を調査してみると、すぐに柳ケ瀬隧道と同様のトンネルを2つ続けて発見。トンネル上部のレンガが黒くすすけており、塚田はその理由が“蒸気機関車の黒煙が原因なのでは”と予想した。
こちらのトンネルは「小刀根トンネル」といい、説明書きによるとレンガの黒ずみは塚田の予想通り蒸気機関車が排出した黒煙による煤(すす)の影響であることがわかったほか、現存する日本最古の鉄道トンネルであることもわかった。
謎はすべて解けたとばかりに鉄道ライターの伊原薫さんに確認すると、ここまでは3人の予想通りだったが、特番のミステリーがこんなに簡単に終わるはずはなかった。
伊原さんによると、トンネルを走っていた鉄道は旧北陸本線と呼ばれ、福井県敦賀市と滋賀県長浜市を結ぶ鉄道だった。しかも、ただ北陸と関西を結ぶだけの鉄道ではなく「人々をワクワクさせた“夢のある鉄道”」だったのだという。一体どんな夢がつまっていたのか!? その真相までが今回の謎ということだった。
旧北陸本線の先にある敦賀にヒントがたくさんあるということで、一行はJR敦賀駅へと向かった。以前別の取材で敦賀を訪れていたという古川アナは何か心当たりがあるようで、その場所へ河合&塚田を案内する。そこには松本零士作『銀河鉄道999』のキャラクターのオブジェがズラリと並んでいた。
古川アナは“夢のある鉄道”という話と『銀河鉄道999』が妙にリンクすると気になる様子。 敦賀から発進した機関車が担おうとしていた役割が、夢をのせて走る銀河鉄道999が重なるのだという。敦賀は港もあることから、運んでいたものは海産物ではないかと推理した3人は、伊原さんを待つ間に「敦賀ヨーロッパ軒 本店」でカツ丼(990円)に舌鼓を打ちながら予想をまとめた。
しかし3人がまとめた「旧北陸本線は福井・敦賀から海産物を関西一円に運んだ“夢のある鉄道”だった」という予想に、伊原さんの評価は0点。「もっと気合い入れてください」と喝まで入れられる始末だった。
『銀河鉄道999』のキャラクター像が並ぶ通りは「シンボルロード」と呼ばれ、敦賀港開港100周年を記念した事業の一環で、旧北陸本線とは一切の関係がなかった。伊原さんによると、旧北陸本線が“夢の鉄道”だったという名残は日本全国に残っているそうだ。
ここで伊原さんから、ヒントがある行き先として①愛知県名古屋市瑞穂区の高校密集地、②大阪府堺市の和菓子店、③熊本県玉名市の資料館の3カ所が提案された。ここで河合は①を、塚田&古川アナは③を選択し、それぞれに分かれて調査に向かうこととなった。
塚田&古川アナは③の熊本県玉名市にある金栗四三翁住家・資料館を調査。金栗四三は日本で初めてオリンピックに出場した“マラソンの父”で、箱根駅伝を作った人物でもある。大河ドラマ「いだてん」でご存知の人も多いだろう。2人は“夢とはスポーツにまつわることではないか”と予想しつつ、さらにヒントを探していると、金栗四三生家記念館で「金栗足袋」という競走用に改良された足袋の展示を見つける。ここで古川アナは「滋賀の彦根は女性用下着の生産で栄えた場所」と豆知識を披露。滋賀県北部に足袋の生産拠点があってもおかしくないと主張した。“滋賀・長浜を生産拠点とした金栗足袋を全国に運んだ”との予想に、塚田は「大きく言っちゃおうよ」と“金栗足袋を敦賀港から世界へ輸出、旧北陸本線は金栗足袋の輸送に使われた鉄道だった”と予想をまとめた。
一方、①の名古屋市瑞穂区の高校密集地で河合は、そのひとつである名古屋経済大学高蔵高校へおじゃましてみることに。最近陸上部が躍進しているという同校は駅伝の強豪校だったが、それ以上のヒントは見当たらなかった。別の高校へ向かう途中で河合は「杉原千畝広場」と人名が書かれた広場を発見する。
東洋のシンドラーとも言われた杉原千畝は、第二次世界大戦中にリトアニアに駐在した外交官で、ナチスドイツの迫害を受けたユダヤ人難民にビザを発給し亡命の手助けをした有名な人物。説明看板で敦賀がユダヤ人難民を受け入れたという記載を見つけた河合は、“敦賀に到着したユダヤ人難民を全国各地へ運んだのが旧北陸本線なのでは?”とユダヤ人の夢を乗せた鉄道だったと予想した。
推理が出そろったところで敦賀に再集合し、予想の擦り合わせを行った3人だが、「金栗四三」と「ユダヤ人難民」では推理がまとまることはずはなく、唯一の共通点といえる「敦賀港」を調査することに。すると港周辺で旧北陸本線の廃線跡を発見。さらに付近にコンテナのようなものも見つけた。コンテナで運ぶのは人ではなくモノという単純な連想から、河合のユダヤ人難民説ではなく塚田&古川アナが予想した金栗足袋説が採用され形で「金栗足袋という夢の詰まったシューズを世界に輸出した旧北陸本線は”夢のある鉄道”と呼ばれた」とまとめた。
ここで伊原さんと2度目の答え合わせ。しかし、3人の調査をあわせても結果はやっぱり0点だった。伊原さんに連れて行かれたのは、かつての敦賀港にあった駅を再現したという敦賀鉄道資料館。そこには敦賀港から出港する人たちと、彼らを乗せた船を見送る人々の模型が展示されていた。
敦賀港駅は鉄道と船を乗り換えるための駅で、船は敦賀からウラジオストクまでをつなぐものだが、旅の行き先はなんとヨーロッパだった。1912年に開通した欧亜国際連絡列車は、陸路でヨーロッパを目指すもの。それまで船で1カ月かかっていた日本‐ヨーロッパ間を、わずか17日間で結んだのだという。東京を出発し、敦賀港からウラジオストクを経由し、シベリア鉄道を経てパリにまで到着する「海を越えた鉄道」はまさに“夢のある鉄道”だった。
金栗四三はこのルートをオリンピックに出場するために利用しており、杉原千畝がユダヤ人難民を匿った際に利用した鉄道も欧亜国際連絡列車だった。また、今回訪れなかったが②の大阪・堺市の和菓子店は与謝野晶子が愛した「大寺餅」があるお店で、与謝野晶子はパリに住む夫である与謝野鉄幹に会うために欧亜国際連絡列車を利用したのだという。
東京を出発した列車は旧北陸本線の「柳ケ瀬隧道」「小刀根トンネル」を通って敦賀港へ向かっていた。かつて夢のある鉄道が通っていたトンネルが現在では車道となり、あのバランスが悪すぎる信号ができたという顛末だった。
答えを聞いてから塚田は“大河ドラマで金栗四三がこの列車に乗っていた”と思い出し頭を抱える。河合も名古屋で杉原千畝について見た際、ほとんど答えのような言葉を発していた。これに火曜レギュラーの俳優・松尾諭も「ひとりになったらポンコツやん」とツッコミを入れずにはいられなかった情報番組『newsおかえり』の人気コーナー特別編「古川×河合×塚田のなんでやねん!?」全国大調査SP第4弾は、動画配信サービスTVerにて無料配信中だ。なお『news おかえり』は、毎週月曜~金曜午後3時40分よりABCテレビで放送中。