2500万円をホストクラブにつぎ込み、およそ30枚のカードでやりくり 多額の売り掛け金を背負わされた女性に「悪質ホスト」が促したのは・・・
およそ200軒のホストクラブが営業している大阪・ミナミに、ある異変が起きているといいます。東京・歌舞伎町からホストが流入。その数がここ数ヶ月で増えているとーー。ホストたちはなぜ、ミナミにやってくるのか?その背景に迫ります。
去年、国会でも問題視された悪質ホストクラブの「売り掛け問題」。売り掛けとは、客の代金をホストが立て替えるツケ払いのこと。これにより、女性客が支払い能力を超えた高額請求を受けるトラブルが相次いでいます。
20歳のめいさん(仮名)も高額な売り掛けに苦しめられた1人です。児童養護施設で育ち、「自分だけを見てくれる愛が欲しかった」という彼女は、甘い言葉で自分を特別扱いしてくれるホストの世界にのめり込んでいきました。
意中のホストに「お金イコール愛情」と言われて金をつぎ込んだ結果、気づけば売り掛けは160万円に。客が払えなければ給料から天引きされるとあり、厳しく取り立てるホストに追い詰められためいさんは、路上売春などで金を稼ぐことを余儀なくされました。
売り掛けの借金で海外売春を強いられたのは、医療系の仕事をしていたちさとさん(仮名)。1年ほどで2500万円をホストクラブにつぎ込み、貯金とおよそ30枚ものクレジットカードをやりくりして支払いにあてました。
ギリギリの工面も限界を迎えたころ、ホストから促されたのが海外売春。拒みましたが勝手にエージェントに繋げられるなど逃れられなくなり、マカオに向かった彼女は、1日5〜6人を相手に売春行為を行ったといいます。
【動画】言葉の通じない外国で…海外売春を強いられた女性の生々しい証言も!
ちさとさんがホストクラブ通いを始めたきっかけは、動画サイトで偶然目にしたホストの動画でした。このような“入口”の多様化に警鐘を鳴らすのは、歌舞伎町で20年ほど女性たちの支援を続ける玄秀盛さんです。
スマホアプリやSNS、ブログ、動画サイトなど「まさかというところ」で相手がホストと知らずに繋がり、気軽な気持ちで実際に会うことに。「もうほぼそこで(ホストの)術中にはまっています」と玄さんは話します。
マッチングアプリで多いのが、ホストとは明かさずに登録して女性とやりとりを重ね、恋愛感情を抱かせてから店に誘うケース。すでにホストクラブに通う女性が、自分の掛け売り金を減らしてもらうなどの目的でほかの女性を誘うこともあるそうです。
高額な売り掛けで女性たちを苦しめる「悪質ホストクラブ」。トラブルが多発する歌舞伎町では、今年4月から主要なホストクラブが自主規制で売り掛けを廃止に。その影響で、多くのホストが「まだ稼げる」ミナミへと移っている、と玄さんは警告します。
苦しむのは店に通う女性客だけではありません。吉田さん(仮名)は、21歳の娘が5軒のホストクラブで売り掛けを抱えました。金額は約1000万円。そのうち8割は、吉田さんが老後のための貯金を切り崩して払いました。
しかし、その後もホストクラブ通いが収まらない娘は、援助を打ち切った吉田さんと断絶状態に。壊れてしまった親子の関係。引き裂かれる思いを抱える吉田さんが今、訴えたいこととは?
悪質ホストクラブの実態は『newsおかえり』(毎週月曜〜金曜午後3:40〜)の特集コーナーで紹介しました。動画をABCテレビニュースの公式チャンネルで公開中!