開催まであと1年の「大阪・関西万博」関係者が頭を抱える“3つの課題”とは?
来年2025年4月13日から半年間、大阪・舞洲で行われる「大阪・関西万博」。開催まであと1年、現状と3つの課題に迫ります。
6400万人以上の来場者を記録した1970年の「大阪万博」から55年、大阪に再び帰ってくる万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。会場には国や府市、民間企業などさまざまなパビリオンの出展が予定されています。
万博の“華”といえば海外パビリオン。現在、161の国と地域が参加を表明し、独自の設計で建設する「タイプA」で出展予定の国は約50か国。それぞれにこだわりの詰まったデザインを発表しています。
そんな海外パビリオンを巡る心配ごとが1つめの課題「建設の遅れ」。タイプAの国で施工業者が決まっているのは36か国。そのうち12か国は着工済みですが、およそ15か国は業者すら決まっていません。果たして、開幕までに完成するのでしょうか?
こうした苦境に対し、2025年日本国際博覧会協会(以下、万博協会)は新しい受け皿として「タイプX」を提案。プレハブ型の建物工事を万博協会が先行して手がけ、外装や内装を各国がデザインするものですが、現在、タイプAからの移行を表明しているのは、ブラジルなど3か国に留まっています。
この現状を受け、万博協会の事務方トップを務める石毛博行事務総長は“完ぺきではない形での開幕”もあり得ると示唆。過去の万博でも、参加を表明していた国が出展を撤退するケースはあったことから「そういうことも許容していかないと、大きなイベントはできない」と話します。
2つ目の課題は「建設費の増額」に国民の納得が得られていないこと。会場建設費は、2018年に発表された1250億円から二度の増額を経て2350億円に。当初の約1.9倍に膨れ上がりました。『newsおかえり』視聴者およそ1000人にアンケートをとってみると、増額に「納得している」と回答した人はわずか13%。「納得していない」と答えた人は60%にのぼりました。
こうした世論を意識してか、経済産業省は3月下旬、万博による「経済波及効果」の試算を6年前の総額2.5兆円から2.9兆円に上方修正。一方、大阪府の吉村洋文知事は「こんなにすばらしい万博ができたなら(増額の)価値があると思ってもらえるものを作り上げることが大切」と語っています。
そして、万博関係者が何より頭を悩ませているのは3つめの課題「盛り上がりに欠ける?!」。街で大阪府民に万博について聞いてみると、「現実味があんまりない」「これという目玉がない」など関心度の低さが浮き彫りに。
そんな機運が影響しているのか、4月3日時点での前売り券の売り上げ枚数は、目標の1400万枚のわずか9%、約123万枚に留まっています。この状況に際し、「いま焦る必要はない」と語る石毛事務総長が示すビジョンとは?
万博開催1年前の現状と課題は『newsおかえり』(毎週月曜〜金曜午後3:40〜)の特集コーナーで紹介しました。動画をABCテレビニュースの公式チャンネルで公開中!