京阪神にただひとつ!昭和遺産の“うどん・そば自販機”に夜な夜なやって来る人々
街で気になるあの場所、この場所にカメラを置き、夜にやって来る人々の人間模様を探るシリーズ『真夜中の定点観測』。今回は、兵庫県神戸市東灘区のお店「石田鶏卵」の前にある昭和レトロな“うどん・そばの自販機”に密着しました。
お金を入れてボタンを押すと、わずか25秒で天ぷらうどんが出来上がり!1970年代に誕生し、一世を風靡したこのタイプの自販機は全国に広まりましたが、やがて製造中止に。修理する部品もすでにないとあって年々数を減らし、京阪神エリアにはもうここにしか残っていません。そんな貴重な“昭和の遺産”に、一体どんな人がやって来るのでしょうか?
【動画】たった25秒でうどんが完成!気になるその製造過程にもカメラが肉薄!?
夜8時、現れたのは20代の若いカップル。この自販機の存在をネットで知り、福井県から車で3時間もかけて食べに来たそうです。お互いの一番好きなところを聞くと、「すごい大事にしてくれてる」「やさしいんで」と照れながら答えてくれる仲睦まじい2人。初めて食べた自販機うどんの満足度は「100点」だそうです。
日付は変わって深夜1時半、バイクでやって来たのは33歳の男性・藤本さん。10時ごろからバイクを走らせ、神戸市内の自宅に戻る前に立ち寄ったといいます。「夜中にふと目が覚めて“ちょっとバイク乗りたい”ってなると、たいがいここに来ちゃう」と、バイクに乗り始めた16歳のころから通っているとか。
そんな17年来の常連さんによれば、「機械の調子によって、だしの量が違ったり…」と味が毎回微妙に変わるそう。こんな大らかさもレトロ自販機の魅力のひとつです。
深夜3時前、今度は若い女性がバイクで現れました。彼女は大学3年生の西垣さん。「お腹が減りすぎちゃって…」と夜中の天ぷらうどんを求めてやって来た西垣さんは、バーでアルバイトをした帰り。ほかにも百貨店の惣菜売りや警備員など複数のバイトをこなし、去年、ようやく念願のバイクを購入しました。
自慢のバイクを見せてもらうと、タンクにへこみが。「納車初日に転んで…」と早々につけてしまった傷が気になるよう。自販機うどんのやさしい味はそんなバイク女子にもしみわたります。
ほか、釣り帰りの仲よしご夫婦や、仕事の悩みを抱える男性などが自販機うどんを求めて現れる『真夜中の定点観測』はABCテレビ『newsおかえり』(毎週月曜〜金曜 午後3:40〜)のニュースの公式チャンネルで公開中!