YOUはなぜ消滅集落に移住? 地元民激推し『ポツンと一軒家』には「切ない夫婦愛」が詰まっていた
愛媛県の山奥の消滅集落にある一軒家。地元民が太鼓判を押すそこには、大阪から移住してきた76歳男性が1人で暮らしている。もともと男性は、妻と余生を過ごすために移住してきたが、夫婦がこの家で一緒に過ごせたのは2年に満たなかった……。男性が語った亡き妻への愛や、夫婦の思い出が切ない……。
【動画】移住後2年足らずで妻が他界。男性が作った妻の墓からは、夫婦が愛した景色がよく見えた……。
バラエティ番組『ポツンと一軒家』の捜索隊が出会ったのは、別件の取材中に麓町の住民からおすすめされた一軒家だ。そこには、別の街から移住してきた男性がたった1人で暮らしていた。男性が大阪からこの一軒家にやってきたのは、今から約18年前。かつてこの地は30~40軒ほどの家がある集落だったが、男性が移住してきた頃にはほとんどの住人たちが麓町に移り住んでおり、どこもかしこもすでに空き家状態だったという。
男性がそんな消滅集落の「ある意味ポツンと一軒家」で暮らそうと思った理由は、妻とふたりだけで穏やかな老後生活を送るためだった。目の前に広がる瀬戸内海や、美しい夕日、大阪では見られない満天の星空を、夫婦は一目見て気に入ったという。しかし、そんな幸せな生活は長く続かなかった。なんと男性の妻は末期ガンにおかされ、移住後2年足らずでこの世を去ってしまったのだ。それ以来、男性は広い一軒家にたった1人で暮らしている。
男性は、愛する妻との思い出をたくさん語ってくれた。自宅の手作りウッドデッキは、夫婦が短いながらも幸せな時間を過ごした場所の1つだ。「お茶を飲みながら(妻と)夕日を見た」「ウッドデッキでいろいろ(朝食を食べることも)あった」と語る彼は、少々寂しそうだった。
男性は、妻の死の間際についても明かしてくれた。静かな最期で、「スーッと息が止まる感じで」「苦しんで死ぬっていうことはなかったので、それだけが幸い」だったという。しかし、最愛の人の死は誰しも辛い。「最初の頃はすぐに(妻のことを)思い出したり考え込んだりいろいろした」と、男性は当時の想いを吐露した。
妻が好きだった海がよく見える高台に墓を作った男性。彼は、1人になっても引っ越す気は全くなく、「お母さん(=妻)と一緒に、ゆっくりこの景色を見て過ごせたらそれでいい」そうだ。妻との思い出が残っている自宅とその周辺、墓などの手入れをこまめにしながら、「生きている間はキレイにしておきたい」と語ってくれた。
亡き妻との思い出と一緒に暮らす76歳男性が紹介された『ポツンと一軒家』1月28日放送回は、動画配信サービスTVerで無料配信中だ。