犬飼貴丈 31歳になり自分の中で変化した部分「諸刃の剣のような気もしますが…」
ABCテレビ「絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男 ファイナル」(毎週日曜深夜1時10分放送)。4年前にスタートしたシリーズもついに最終章。自分が“BL漫画”の世界の住人であることに気づいてしまったモブを演じる犬飼貴丈さんへのインタビュー後編です。4年続いたシリーズを終えて感じたことや30歳を越えて変化したことなどを聞きます。

――久しぶりの撮影はいかがでしたか?
みんなダラダラしていましたね(笑)。いい意味で慣れているから気負いもなく。ただ今回はめちゃくちゃ暑かったんですよ。夏に撮影をしていたのですが、冬の設定の日もあってコートを着たりして。汗をかきながらの撮影だったので、暑さとの戦いだったという思い出です。
――4年間、モブを演じてきましたが、モブに共感する点はありますか?
ものを客観的に見ようとするところは近いかも。モブは客観視してそうで4年間、色んなことに巻き込まれてしまっていた感じですが、そういうところも似ているのかもしれないです。

――モブは自分の気持ちをなかなか素直に言えないタイプですが、その辺りも似ていますか?
僕もあまり言わないです。言うことによって誰かがイヤな気持ちになったり、言うことが正義なのかなどを考えてしまうので、極力言わないようにして自分の中で解決するようにしています。冗談を言うときも相手を見ますし……。なので、この作品で出会った人たちのようになんでも言える関係性を築けたのはすごくよかったと思います。
――4年間演じてきて自分の中で変わった点や逆に変わらなかった点はありますか?
監督に何かを言われたときに自分の中での落とし込みが早くできるようになったと思います。最初の方は、言われたことに納得する作業が必要でしたが、今では言われたことをすぐ理解して噛み砕くことができるようになりました。それはやっぱりずっと同じメンバーでやり続けているので、その人について知っていることが多くなり、こういうことでは?という答えを出しやすくなったというのが一番な気がします。あとは自分の中で修正する時間がかからなくなったというのもあります。昔より演技の引き出しが多くなったのかもしれないです。

――そういった演技の幅は他の作品でも活かされていますか?
どうですかね。それより色んな作品で知ったことや、溜まっているフラストレーションなどをこの作品で発散しているのかもしれないです。この作品は僕にとって息抜きの場でしたから。
――そんな息抜きの場がなくなるのは残念ですね。
まぁ仕方ないですよ。あと僕はプライベートで息抜きの場がありますから。基本、インドアタイプなのですが、結構田舎に行くのが好きなんです。緑や青い空が広がっている場所に行ってそこで大きく深呼吸するのが最大のリラックス方法です。

――6月で31歳になりましたが、30歳を超えて自分の中で変化した部分はありますか?
諸刃の剣のような気もしますが、がむしゃらさはなくなったような気がします。これまでは常に突っ走るような感覚で進んできたんですが、30歳になり、一度冷静に立ち止まって考えてみる時間も必要だと思うようになりました。まぁこれがいいことなのかどうかは分からないのでなんとも言えないですが……。自分の経験値が増えてきたことで、止まっても考える力ができたのが大きいのかもしれないです。

――そんな少しずつ変化が訪れている犬飼さんにとって、「絶対BL」という作品はどのような存在になりそうですか?
シーズン4とここまで続くシリーズものに携わることはこれまでなかったので、かなり貴重な経験になりました。今後、シリーズ作品に出演する際、どのようなスタンスで臨めばいいのかもある程度教えてもらったような気がします。そしてスタッフを含めいいメンバーに出会えたことが何よりもありがたかったです。そんな作品を、ぜひ多くの人に見ていただければと思います。

『絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男 ファイナル』ABCテレビ(関西ローカル) 毎週日曜深夜1時10分放送。ABCテレビでの放送後、TVerにて見逃し配信。FODにて独占配信。



