経費の元を取るため? 今週もフランス出張の「ポツンと一軒家」。無職からミシュランシェフをうならせる放し飼いの養鶏場を作り上げた、南仏アルプス山中の仲よし夫婦

衛星写真でみつけた謎の一軒家の実態を徹底調査する番組「ポツンと一軒家」(ABCテレビ)。10月12日(日)の放送回では、5日放送の『「大改造!!劇的ビフォーアフター」×「ポツンと一軒家」5年半ぶりの合体2時間スペシャル!』に続き、フランスのポツンと一軒家へ。

冒頭で地図にフランスが表示されると、パネラー林修が「先週、ビフォーアフターでリフォームした上に、フランスでポツンと一軒にも伺いましたけれど、それじゃ取材経費の元が取れないので。もう一軒やらないと…」と推測。MC所ジョージが「まさか前回の人からの紹介?」ときくと、林は「でも、それ以外にツテがないと思うんですよ」と、スペシャルに登場した南仏アルプスのミシュラン一つ星の「ポツンと一軒家」オーベルジュのシェフからの紹介を言い当てた。

今回訪ねるのは、ミシュランシェフが鶏肉を仕入れているという養鶏農家。シェフが「ここ(ミシュランオーベルジュ)より、もっとポツンとしてるよ」と太鼓判を押す場所へは、シェフ自らがハンドルを握る四輪駆動車で案内してくれたが、未舗装のガタガタ道と落石の危険すらある険しい道のりに、捜索隊は悲鳴を上げる。道中、野生動物「シャモア(アルプスカモシカ)」にも遭遇した。

ようやく到着した捜索隊を笑顔で迎えてくれたのは、この養鶏場のご主人(54歳)と、コロンビア人の妻(49歳)。2人はアルプス山脈の南端、標高1200mにある約1ヘクタールの土地に4棟の養鶏場をセルフビルドし、約2000羽の「青い足」と呼ばれる特別な品種の鶏を放し飼いで飼育している。山の斜面という過酷な環境が、「ポツンと一軒家」シェフのような星付き料理人をも唸らせる、弾力のある美味しい肉質を生み出しているのだそう。

夫妻が養鶏を始めたのはわずか7年前。それまでご主人はスペインのバルセロナで化粧品会社の営業部長、妻は歯科衛生士として、それぞれ成功したキャリアを築いていたという。しかし2010年代に世界を襲った金融危機で2人は職を失い、ご主人の故郷フランスのニースへと戻ることを余儀なくされた。

資格を持つ妻は、フランスですぐに仕事を見つけたが、ご主人は2年もの間、思うような仕事に就けず、その間に親戚が遺した荒れ放題の土地(現在の養鶏場の場所)を開拓し、自営業として鶏の飼育を始めることを決意。60年放置された荒地の環境を4年の歳月をかけて整え、独学で養鶏を始めた。そんな夫を妻は「尊敬する」という。

夫婦の住まいは養鶏場から3キロ離れた、祖父が42年前に建てた家。そこで捜索隊は、夫妻が愛情を込めて育てた鶏を使った、特別な料理をご馳走になった。

生き物の世話に休みはなく、夫妻はもう2年間も旅行に行っていないという。その最後の旅は、妻の故郷コロンビアでの結婚式だった。そんな多忙な日々の中、2人は「1年の半分をフランスに住んで、半分はコロンビアに住みたい」と8年後を目標にした、リタイア後の夢を語る。

夢の二拠点生活までもうひと踏ん張り。当分は旅行にも行けないが、アルプスの山で鶏を育てる毎日がきっと、2人の幸せな第2、第3の人生へ繋がっていくことだろう。

ゲストに市川右團次と平塚日菜を迎えた南仏アルプス回は、10月12日に放送されたバラエティ番組「ポツンと一軒家」(ABCテレビ)で紹介された。

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