釘や金具を使わない「組子」 約1400年の歴史と伝わる伝統的木工技術で常識を打ち破り平面から立体への新たな技法を生み出した前代未聞のビッグプロジェクトとは?
釘や金具を使わずに、細い木を幾何学的な文様に組み合わせる「組子」は、およそ1400年もの歴史を持つと伝わる日本の伝統的な木工技術です。そんな平面構造が当たり前の組子の常識を打ち破り、新たな技法「立体組子」を生み出したのが、「村山木工」の木工職人、村山伸一さん。世の中に存在していなかった唯一無二の技法を創り出しました。
村山さんが初めて挑んだ「立体組子」の作品があるのは、東京の丸の内にある五つ星ホテル「パレスホテル東京」の結婚式場。格式高い結婚式場が組子で覆いつくされ、独創的で優美な空間を演出しています。この作品が評判を呼び、有名ホテルや高級レストランなどから依頼が舞い込むようになりました。
村山さんの工房は良質な杉の産地である京都の京北にあり、現在のスタッフは8人。若手の職人たちが「組子細工」など、伝統工芸の技術を磨いています。
額縁専門工房の長男として生まれ育った村山さん。幼いころからモノ作りが大好きでしたが、音楽に熱中し、高校卒業後はプロミュージシャンを目指していました。しかし、父親が病気になったことから、実家の工房で稼業を手伝うようになったのです。病気から回復した父親のもとで腕を磨き、京都の老舗人形店の調度品や飾り物、茶道具などを製作するようになりました。
釘を使わず、木と木を組み合わせて作る「指物」。その経験が、平面構造の組子を立体や曲面にする「立体組子」という新たな技術を生み出す土台になりました。これまでにない美しさが魅力の立体組子の技法を紹介します。
この夏、「村山木工」では職人総出で取り組む新たなプロジェクトを進行することにしました。スタッフが一丸となって挑むビッグプロジェクト。どんな作品に仕上がるのでしょうか。
『LIFE~夢のカタチ~』は、10月4日 土曜 午前11時から放送。(ABCテレビ/関西地域で放送、TVer見逃し配信あり)
