島根県の山奥で一組の夫婦が織りなした愛と絆。亡夫の思い出が詰まった『ポツンと一軒家』に毎日通う85歳妻の告白に、ゲストも思わず涙

衛星写真でみつけた謎の一軒家の実態を徹底調査する番組『ポツンと一軒家』(ABCテレビ)。9月14日(日)の放送回で衛星写真が捉えたのは、中国地方、島根県の山中にあるポツンと一軒家。そこは一組の夫婦が織りなした愛と絆、そして家族の歴史が凝縮された場所だった。

ポツンと一軒家の持ち主は、85歳の女性。この地にある夫の実家に嫁いできたが、現在は麓の集落に住みながら、毎日、農作業のために通っているのだそう。捜索隊は「畑に行く」という女性に同行。ガードレールのない危険な道をスイスイと運転する女性の姿に驚かされた。

衛星写真に映っていたポツンと一軒家は物置で、築100年以上という母屋は老朽化のため35年前に夫婦ふたりで解体したという。

かつては集落があった場所に最後まで残っていた女性の一家。冬場は2メートルも雪が積もる豪雪地域とあり、子どもの保育園や学校への通学のことを考えて、51年前に麓の住宅地へ移住した。

隣の集落で生まれ育った女性は、16歳で山口県の病院に働きに出たが、父親の病を機に帰郷。その後、お見合いのような形で、19歳のときにこの家に嫁ぐことに。かつてあたりには炭焼きと米作を行う集落があったが、車も入れない山奥で、女性は花嫁衣装のまま険しい山道を歩いて嫁入りしたという。

結婚後は子育ては祖母が担い、女性は身体の弱い夫に代わり、農作業の働き手として朝から晩まで働き続けた。炭焼きがすたれると原木椎茸栽培を始めたり、工場で20年働いたりと、様々な仕事に挑戦し続けた。

5歳上の夫はこの家の1人息子として生まれ、家業の農林業を継ぎ、女性と結婚。後には役場で30年勤め上げ、60歳で定年を迎えた。

「多趣味な人だった」という夫は、陶芸、木工、ハーモニカ、写真など、ポツンと一軒家の物置に多くの作品を残していた。特に「自分でフィルムを現像するほどだった」という写真には、家族の暮らしや子供たちの成長などが愛情深く記録されていた。

さらに驚くべきは、夫が70歳を過ぎてから始めたという朗読ボランティア「録音図書」だ。本好きが高じて、目の不自由な人のために本を朗読しテープに録音する活動を行っていたが、車の雑音などが入らないように、麓の家ではなくこのポツンと一軒家に手作りの録音ブースまで作って取り組んでいた。

先祖代々受け継がれてきた土地で過ごした65年間の生活を振り返った女性は、「過ぎてみると、夫はかけがえのない存在でした」と語り、「今は子どもや孫、ひ孫も頻繁に来てくれます。幸せです。夫が居たから私がこうして居られる。幸せを残してもらった」と、夫婦の間に培われた揺るぎない愛と絆を示すと、ゲストの小倉久寛も「泣いちゃうな」と感動する姿を見せた。

この島根県のポツンと一軒家は、9月14日に放送されたバラエティ番組『ポツンと一軒家』(ABCテレビ)で紹介された。

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