大動脈解離で今年5月に急逝…寮母だった亡き母にも届け 夏の甲子園に青藍泰斗(栃木)応援団長の声援響く
夏の甲子園(第107回全国高等学校野球選手権大会)5日目にあたる8月9日に、栃木代表の青藍泰斗は、夏の甲子園で優勝経験のある佐賀代表・佐賀北と対戦。アルプススタンドでひと際大きな声で応援していたのは、3年生の笠原佑太団長だ。実は彼は、2025年5月に実の母親を亡くしたばかりだった。
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青藍泰斗のアルプススタンドは、存在感抜群なスクールカラーの青一色。青のハチマキを額に巻き、同じく青のメガホンで仲間たちに熱のこもった声援を送るのは、野球部応援団の第51代応援団長を務める笠原佑太さんだ。
笠原団長の母親は、青藍泰斗の寮母。「みんなのお母さん」のような存在だった。そんな笠原団長の母親が今年5月に大動脈解離で急逝。笠原団長は、「辛いときは空を見てお母さんに話しかけている」という。きっと亡き母も、夏の甲子園での青藍泰斗の活躍を楽しみにしていただろう。笠原団長は、天国にいる母親に見守られながら、グラウンドで戦う仲間たちを大きな声で応援した。
青藍泰斗と佐賀北の試合は、4回まで白熱のシーソーゲーム。5回以降は同点のまま、今大会5度目となる延長タイブレークに突入した。延長10回表で、青藍泰斗は1アウト満塁に。一打勝ち越しのチャンスだったが、佐賀北の3年生エース・稲富理人投手にねじ伏せられ、2者連続で空振り三振に終わった。

延長10回裏を無失点で終わらせたかった青藍泰斗だが、あと一歩のところで力が尽きた。1アウト満塁の場面で、佐賀北の2年生・山下泰槻選手にサヨナラスクイズを許し、青藍泰斗は4対5で敗れた。
佐賀北の主力である3年生たちは、同校が夏の甲子園で優勝した2007年生まれだ。あの世代が起こした“がばい旋風パート2”は青藍泰斗を制し、今後さらに勢いを増していくことだろう。
そんな佐賀北相手に、最後の最後まで激闘を繰り広げた青藍泰斗。試合後に笠原団長は、「甲子園に出て勝てなかったけど、ありがとうと伝えたい」と明かした。彼の熱のこもったエールは、グラウンドにいる選手たちだけでなく、天国の母親にも届いたことだろう。
なお、手に汗握る青藍泰斗と佐賀北の試合ハイライトは、8月9日に放送された『熱闘甲子園』(ABCテレビ・テレビ朝日系列)で紹介された。
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