史上初の夕方開会式&第一試合がナイター 小松大谷(石川)中軸・胡摩結月にとって甲子園は「嫌な場所」 背番号20への降格からリベンジに燃える夏

夏の甲子園(第107回全国高等学校野球選手権大会)が、ついに8月5日に開幕した。 暑さ対策の一環として、初めて夕方に開会式が開かれたあと、午後5時半すぎから小松大谷(石川)と創成館(長崎)の1試合だけが開催された。小松大谷の中軸である3年生・胡摩結月選手にとって、甲子園は「嫌な場所」なのだという。

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胡摩選手には、忘れられない苦い記憶がある。それは、2年生ながら背番号3で出場した2024年の夏の甲子園。憧れの聖地で爪痕を残したい胡摩選手だったが、結果は3試合ノーヒット8三振に終わったのだ。

自分が思っていた結果を全く出せなかった胡摩選手は、憧れの舞台だったはずの甲子園球場が「嫌な場所に変わってしまった」という。さらに胡摩選手は、夏の甲子園出場をかけた石川大会で、ベンチ入りギリギリの背番号20に降格する事態に……。

それでも胡摩選手はめげず、石川大会決勝で3安打3打点を記録。甲子園でリベンジを狙う彼は、「聞いてみたいですよね、自分が打った快音を。ヒット1本は絶対打って、打点もつけていければ……」と意気込み、創成館との試合に臨んだ。

昨年と同じく背番号3のユニフォームを着た胡摩選手の1打席目は、1点リードの1回表2アウト1塁の場面だ。胡摩選手は、初球からフルスイング! その後2ストライクに追い込まれたが、彼はなおも果敢にバットを振り、ついには快音を響かせてレフトへヒットを放った!

しかし小松大谷は、この回に追加で得点できず、創成館の勢いに飲まれる事態に。たった2点差を縮められず、9回表を迎えてしまった。再び打席に立った胡摩選手は、フルスイングで高めの球を打つも、結果はライトフライ。その後も、小松大谷ナインは最後まで勝利をあきらめなかったが、創成館の3年生エース・森下翔太投手を打ち崩せず、1対3で敗北し、2年連続の2回戦進出とはならなかった。

試合後に胡摩選手は悔しそうにしながらも、「甲子園でヒットを打つのが目標だったので、とてもうれしかったです」と素直にコメント。「スタンドが大盛り上がりしているところが見えてうれしかった」と続け、涙を流す仲間たちと球場をしっかり見つめ、「めちゃくちゃいい景色」と明かした。嫌な思い出の場所だった甲子園は、最後まで戦い抜いたからこそ、胡摩選手にとって最高の景色に変わって見えたのだろう。

なお、ロースコアのしびれる戦いとなった開幕戦のハイライトは、8月5日に放送された『熱闘甲子園』(ABCテレビ)で紹介された。

番組情報

熱闘甲子園
8月5日(火)〜決勝戦まで連日夜放送 ※休養日除く(予定)※変更の場合あり

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