捜索隊、空振り危機回避の神展開! 定年を機に一人でログハウス作りに没頭した78歳男性の亡き妻への深い愛が詰まった『ポツンと一軒家』

衛星写真だけを手がかりに、日本各地の人里離れた場所になぜだかポツンと存在する一軒家の実態を徹底調査する番組『ポツンと一軒家』。8月3日(日)放送回では、長崎県の海にほど近い山中のポツンと一軒家に狙いを定めた。現地に赴いた捜索隊が早速地元住民に聞き込みをすると、みつけたポツンと一軒家は、住居ではなく農作業小屋だということが判明。空振りの失意にくれる捜索隊に「2Km先にも、ポツンと一軒家があるよ」と地元住人が現地まで案内してくれた上に、従兄弟だという家主を引き合わせてくれるという神展開に!

ポツンと一軒家の主は、麓の集落に住む78歳の男性。寄棟屋根の大きなログハウスは畑を併設した別荘で、土木建築に従事していた男性が定年退職を機に、すべて一人で手作りしたという。

「ここが私の原点」というこの場所には4代前の先祖が建てた生家があり、厳格な父と穏やかな母、そして3兄弟で暮らしていた。小学校までは山道を通り、なんと片道1時間もかかったのだそう。

男性が15歳のときに父が自治体主導でこの場所でみかん農家を始め600本のみかんを植えたが、山頂からの強風でみかんが傷つき思ったほど収益が上らず、15軒ほどあったみかん農家は20年ほどですべて廃業。そのころに男性は、家の前の道路で土木工事をする人が「レベル測定器」を使っているのを見て憧れたのを機に工業高校へ進学し、神戸の建築会社に就職した。

その後、父の体調不良でUターン。地元の建築会社で働きながら28歳の時に2歳下の美容師の女性とお見合い結婚をして実家を離れ、ほどなくして現在住む麓の家を建てた。

「妻が尽くしてくれたおかげで、定年まで働くことができた。チャーミングな女性だった」という妻は、男性が56歳のときに肝臓がんで他界。病院に行ったときには余命6ヶ月と宣告され、涙に暮れたという。

妻が亡くなり退職を迎えた後、男性はたった一人でログハウスを建て始めた。生家は41年前の大型台風で崩壊。そのまま放置されて薮になっていた場所を開墾し、敷地の杉の木を伐採し、2年かけて乾燥させて丸太にした。石垣も山の石を集めて一人で積んだ。ログハウス建設のために、男性の要望を設計士の息子が図面に起こしてくれたのだそう。

5年の歳月をかけたログハウスが12年前に完成。現在は毎朝畑の手入れをしながら午前中をここで過ごし、毎週木曜日に趣味の海釣りに出かけているが、ログハウス作りに没頭したのは、妻の死を忘れるためだったと語ってくれた。

一人暮らしも21年。畑に植えたシキミの枝葉を毎日妻の墓に備えるのが日課に。男性は妻の墓に、「家族仲良くやってるよ」と報告する。

MCの所ジョージが「優しい人でしたね」と言うと、ゲストの渡辺満里奈は、「いろいろな想いが詰まったログハウス。ぐっときました。さまざまな想いを石に託して積んでたんでいたんでしょうね」と感動しきり。恒松祐里が「おじいちゃんの話をきく機会ってなかなかないから、お孫さんもおじいちゃんの人生を辿るよい機会になったのでは」と感想を述べると、パネラーの林修は、「男性自身も、取材で自分の想いを再確認できたのでは?」と語った。

男性の妻は亡くなる直前に、孫に「しおん」という名を残したという。紫苑(シオン)の花言葉は、「君を忘れない」。男性は今も妻を心に抱いて、日々を生きている。

なお、この長崎県のポツンと一軒家は、8月3日に放送されたバラエティ番組『ポツンと一軒家』(ABCテレビ)で紹介された。

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