JRA初 新たな競馬の歴史の扉を開いた女性調教師 「馬とスタッフを幸せにしたい」と合格率10%以下の難関を突破 愛馬で初の重賞制覇なるか?

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馬主から預けられた競走馬の体調を管理し、トレーニングを行い、最良のコンディションでレースに出走させることが主な仕事である競馬の調教師。日本中央競馬会、略称JRAが発足して以来70年、女性の調教師は存在しませんでした。そんな世界で新たな歴史の扉を開いたのが前川恭子さん。JRA初の女性調教師として2025年の3月、前川厩舎を開業。「自分が関わるスタッフと馬を幸せにしたい」との思いを胸に、日々、奮闘しています。

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前川さんは千葉県出身。11歳の頃から乗馬クラブに通い、馬に関わる仕事がしたいと思っていました。筑波大学では馬術部に所属。卒業後は北海道での牧場勤務を経て、2003年にJRAの厩務員に、2004年には調教助手になりました。調教師になることに悩みもありましたが、「自分が思い描く厩舎を作って、馬とスタッフを幸せにしたい」と覚悟を決め、調教師試験に挑戦。5度の受験を経て、合格率10%以下の難関を突破したのです。

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滋賀県栗東市にある栗東トレーニング・センターでは、前川さんのような競走馬に携わる人たちの1日が夜明け前から始まります。馬に少しでも異変があれば、調教には出しません。馬の一生を左右する大きな怪我につながることもあるからです。馬が調教コースに出た後は、スタンドから動きをチェック。仕上がり具合を確認し、万全の状態でレースに出走できるよう計画を立てます。

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前川さんは馬主に推薦する未来の名馬を見つけ出すため北海道名門の育成牧場「社台ファーム」へ向かいました。前川さんと共に鋭い眼光で馬を見つめるのは、数多くの名馬を輩出してきた矢作芳人厩舎の矢作調教師。実は2人は師弟関係。「彼女は大胆不敵だが、細やかな面もある」と評する矢作調教師は、「後に続く女性たちのためにも成功してほしい」とエールを送ります。

開業したばかりの前川厩舎は、厩務員と調教助手ら12人のスタッフと共に、前川さん独自の工夫を取り入れ、サラブレッドの世話をしています。

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7月の1週目、栗東トレーニング・センターでは、前川厩舎で最も人気のある牝馬のモズメイメイを調教する前川さんの姿がありました。狙うは前川厩舎初となる“重賞レース”制覇です。7月6日は福岡県の小倉競馬場へ。モズメイメイは賞金の高い重賞レース「北九州記念」に挑みます。果たして、初の重賞制覇なるか? いよいよレースがスタートします!

LIFE~夢のカタチ~』は、7月19日 土曜 午前11時から放送。(ABCテレビ/関西地域で放送、TVer見逃し配信あり)

番組情報

LIFE~夢のカタチ~
毎週(土)午前11時

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