40年以上ぶりに会った息子に金の無心をするなんて、一体どこまで最低なの!?　アニメ『俺は星間国家の悪徳領主！』（ABCテレビ）第12話（最終話）に、主人公を捨てたも同然の両親たちが登場した。“真の家族”とは何か、考えさせられた視聴者は多いだろう。

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アニメ『俺は星間国家の悪徳領主！』は、魔法ありロボットありの星間国家アルグランド帝国の伯爵家当主リアム・セラ・バンフィールド（CV：花江夏樹）が主人公。善良ゆえに報われなかった前世をもつリアムが、転生先で悪徳領主を目指すストーリーだ。

かつて荒廃していたバンフィールド領は、リアムのおかげで大発展。最終話でリアムは、凶悪海賊団を討伐した功績から、勲章を授与されることになった。リアムが帝国の宮殿へ向かうと、バンフィールド領荒廃の原因を作った両親と、母方の祖父母の姿が……。

リアムの両親といえば、まだ5歳だった彼に家督を譲って莫大な借金を押し付け、仕送りをもらって別の土地で暮らしている最低人間。リアムは、両親と40年以上会っておらず、祖父母にいたっては、なんと初対面だ。そんな両親と祖父母がリアムに会いに来た理由は、彼が帝国から与えられる莫大な報酬目当てだった。

両親と祖父母は、リアムに今まで家族らしいことを何もしてこなかったくせに、「立派な孫を持っておばあちゃんも嬉しいわ！」「さすがは我が息子だ！」などと調子が良い。その一方で、AIメイドロボの天城（CV：上田麗奈）を頑なに「人形」と呼び、彼女を大切にするリアムに、「感心しないわよ。宮殿に人形を持ち込むなんて」「孫が宮殿に人形を連れてくるなど悲しいぞ」「捨ててしまいなさい」などと言い放った。

リアムの両親と祖父母に、視聴者はザワザワ。X上には、「久々に会った両親と祖父母から出た言葉が金の無心　予想通りとはいえキツイな～」「両親も毒親ならその親もまた……ということなのか」など、人間性を疑う声が続出した。

一方で、クライマックスのリアムと天城の絆が感動的。きっかけは、「私をそばに置くのは、もうやめた方が良い」という天城の一言だ。帝国にはびこるAIアンドロイドへの忌避感、そしてリアムの両親たちの一件で、天城は「旦那様に敵対する者に対し、私の存在が付け入る隙を与えるのは事実です」とリアムに進言。頑なに離れようとする彼女にリアムは、「お前の気持ちは、心はそれでいいのかよ!?」「命令だ。本当のことを言えよ！」と迫った。

すると天城は、「私はAIなので、心について正確な分析はできませんが、旦那様から離れる決意を演算していたら、プロセッサーがオーバーロードを起こして……」とポツリ。「異常加熱してしまいました」と続けた彼女の瞳からは、大粒の輝く何かがこぼれ落ちた。

やがてリアムと天城は、これからも一緒にいることを約束。天城を抱きしめたリアムは、先程までの傍若無人ぶりから一変。「お前まで俺を捨てるなよ」「ずっと2人で一緒だったじゃないか」と、涙を溜めて悲しそうに呟いた。天城は、そんなリアムの頭を優しく撫でながら、「仕方のない旦那様ですね」「可能な限りおそばで仕えさせていただきます」と微笑んだ。

種族や性別の垣根を超え、家族同然の深い関係を築き上げたリアムと天城。2人にX上は、「金目当てのリアルな血縁関係に対して、リアムと天城の関係が本物の家族って伝わってきた」「2人の絆に心の底から感動した」といった声で盛り上がった。

なお、アニメ『俺は星間国家の悪徳領主！』最終話は、6月21日深夜にABCテレビANiMAZiNG!!!枠で放送された。同アニメは、小説投稿サイト「小説家になろう」にて連載され、「オーバーラップ文庫」から書籍化された、三嶋与夢の同名小説が原作だ。