「月の飲み食いで毎月800〜1000万円」 “顔面凶器”の異名を持つVシネマの帝王が語る! 粋すぎる師匠・松方弘樹の豪快伝説!?
「俺自身が松方さんの最後の弟子」と語る俳優、小沢仁志が、松方弘樹への感謝の思いを口にした。松方の指名で初めて時代劇に抜擢された小沢。現場は当初アウェイ感満載だったが、松方の粋な計らいで周囲の小沢への態度が一変したという……。

かたせ梨乃が松方の酒豪伝説を語った後、「松方さんには俺も凄く良くしてもらって。俺自身が最後の弟子だと思ってるから」と話し始めた小沢。それは松方主演の『月影兵庫』という時代劇でのこと。時代劇の経験がなかった小沢は、出演オファーを「迷惑がかかるからと断った」が、松方本人から電話がかかってきて「てめぇなに偉そうに断ってんだ。明後日スーツケースに荷物ぶち込んで京都来い」と言われたという。

しかし実際には「望まれてない感満載な訳よ」と小沢。後でわかった事だが、実は小沢の役にはそうそうたる候補がいた。しかし松方が「小沢じゃなきゃやんねえよ。全部断って」と依頼し、小沢を無理矢理入れていたのだ。

にも関わらず、撮影前日にガンガン酒を飲んで寝坊し、撮影初日に行われるお祓いに大幅に遅れていった小沢。サングラスのままカツラだけ載せてもらうと、松方から「顔パンパン」と言われ、「すみません」と謝った。しかし松方は怒ることなく、「俺が遠山金四郎やってる時は半年間顔パンパンで繋がってるんだよ。お前も8話くらいちゃんとやれよ」と言ったという。

その後も飲んでは遅刻するため、松方から「お前いい加減にしろよ」と怒られた小沢。しかし「毎晩飲んで遅刻してると、何となく俺の気持ちわかってくれたみたいで、(松方は)何にも言わなくなった」という。そんな中、ある事件が起こる。「あの人打ち上げ凄いじゃないですか。ドラマで1週間に1本撮ってて毎週週末全然関係ないスタッフまで入れて100人くらい嵐山の有名なすき焼き屋さんで打ち上げやるのよ」と小沢。ちなみに当時の松方は「月の飲み食いで毎月800〜1000万円」使っていたのだとか。

ある日、松方から「来週東京でテレビの仕事があって俺が(打ち上げを)出来ないんで。小沢がちゃんとやってくれるよ」と言われ、「え!マジ!と」と驚いた小沢。打ち上げの日が近づくと、「いくら持っていけば足りるんだろう」と思いながら、「とりあえず100万200万とか」用意して行った。そして打ち上げが終わり会計に行くと、「松方さんの京都のお付きの人が『何やってんだ小沢?』、『いやお金払わないと…』、『そんなの松方が払ってるに決まってんだろ』」というやりとりがあったという。

「(松方さんが)ちゃんと勘定してるけど、みんなは知らない」と小沢。翌日、現場に行くと、「小沢ちゃん昨日はごちそうさん」とか、みんなの態度がゴロッと変わっていた。「それも松方さんが見越してのこと?」と尋ねる濱家に、「言わないけど、俺のを見てて」と小沢が答えると、一同から「かっこいい」「粋やなぁ」という声があがった。

打ち上げの席で「最初小沢のことみんな拒否してたけども、小沢も遅刻ばっかりしてたけど、見てみろ!なんだかんだ言って終わってみれば、素敵な時代劇の俳優さんが一人増えたじゃねえか」と話した松方。小沢は「俺泣いたもん。そういう人」と回顧した。

なお、この松方弘樹のエピソードは、4月30日に放送されたバラエティ番組『これ余談なんですけど・・・』で明かされた。
