朝食は「コンビニ」で!? 温泉旅館で“素泊まり”が急増中! 売上が大幅にダウンしても客と旅館が“win-win”なワケ

ABCテレビの夕方のニュース『newsおかえり』で過去に放送された特集企画と、YouTube公式チャンネル『ABCテレビニュース』の特集動画から選りすぐりの作品をお届けする番組『newsおかえり&YouTube傑作選』。4月21日(月)は「温泉旅館で素泊まり?“泊食分離”の実態」と「“指定難病外し”を危惧 潰瘍性大腸炎」の2本を放送した。

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WEB企画「温泉旅館で素泊まり?“泊食分離”の実態(2025年4月6日配信)では、温泉旅館での宿泊スタイルに最近現れている異変を“関西の奥座敷”と呼ばれる兵庫県・有馬温泉で調査した。

温泉旅館といえば、温泉に加えて贅沢な食事も楽しめる“1泊2食付き”が定番。しかし近ごろは、宿で食事をとらない“素泊まり”の客が増えているという。

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有馬の温泉街で話を聞いたところ、旅館やホテルを素泊まりで利用している人がチラホラ。料金が高い、外で食事をした方が温泉街の雰囲気を楽しめるなどの理由で、“食事付き”は最初から選択肢に入れていなかったと話す若者や、朝食は「コンビニで」済ませるというグループも見られた。

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実際、旅館で食事をとらない客はどれほどいるのか?1956年開業の有馬の老舗旅館「古泉閣」では、2023年7月から“夕食なし・朝食付き”プランを始めたところ、これが大好評。素泊まりを含む“宿で夕食をとらない客”の割合が1年で3倍に増えた。

しかし、旅館ならではの豪華な食事が付いた宿泊プランの料金は、1泊2食付きが約3万円、朝食付きは17000円。素泊まりでは10000〜15000円ほどとなり、旅館の売り上げも減ることに。経営が苦しくなる?と思いきや、客が宿で夕食をとらないことは旅館側にも大きなメリットがあるという。

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旅館・ホテル業界は今、「人手不足」。ギリギリの人数で仕事を回すなか、夕食の調理や配膳などにかかる人手が抑えられることで、従業員の働き方に余裕ができたり、休みを取りやすくなったりとプラスの効果が現れているというのだ。

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これまでセットだった宿泊と食事のサービスを切り分けて提供する考え方は「泊食分離」と呼ばれ、旅館業界で徐々に広まっている。あえて食事なしにすることで、人手不足でも稼働率を上げられるうえ、客が喜ぶ手頃な料金も可能に。「泊食分離」は、旅館と客にとって“win-win”なのかもしれない。

“指定難病外し”を危惧 潰瘍性大腸炎(『newsおかえり』2024年10月9日放送)では“ある危機”に直面する難病患者たちの声を取材した。

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「潰瘍性大腸炎」は、大腸の炎症から腹痛や下痢、血便などに悩まされる病気。原因は不明で、今の医療技術で完治することはない。

広島市に住む伊藤克明さん(28)も患者のひとり。症状を抑える多くの薬を飲む生活を4年近く続けている。薬は高額で、1回あたり5万円ほどの医療費が。だが、潰瘍性大腸炎は国が「指定難病」と認定しているため助成を受けることができ、毎月の出費は最大2万円で済んでいるとか。

助成のおかげで必要な治療を受けることができ、普通の生活を送る「寛解」を維持している伊藤さん。だが、もしも指定難病から外されて助成がなくなると、病院に行く頻度が下がり、体調が悪化する不安があるという。

世界に数千あるといわれている難病の中で、厚生労働省が定めている指定難病は341。いずれも「患者数が一定数以下で診断基準が確立している」病気で、研究などを理由に医療費を助成している。

ところが2023年の冬、国は「指定難病の要件に合致しない状況であると判断される場合には、対象疾病の見直しについて検討する」として資料を発表。年々患者が増えている潰瘍性大腸炎は、すでに「患者数が一定数以下」という要件を満たしていない可能性があり、指定難病から外されるのではないか――と当事者たちの間で危機感が高まった。

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そんななか、「指定難病外し」をテーマに大阪で講演会を開いたのは、潰瘍性大腸炎などに悩む人たちを支援する患者会「大阪IBD」。代表の布谷嘉浩さんとともに活動する共同代表・三好和也さん(50)もまた、約10年前に潰瘍性大腸炎を発症し、薬による寛解でようやく「普通の生活が送れている」という患者。三好さんら患者にとって助成は、大切な「生命線」なのだ。

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発症すれば、一生向き合わなければならない潰瘍性大腸炎。前出の伊藤さんは「仕事を続け、社会に貢献していく」ためにも「(指定難病制度が)なくなってしまうと困ります」と言葉に力を込めた。

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