“親亡き後”息子が生きていくために…重度知的障害のわが子を支える両親の“終活”に密着

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重い知的障害の息子を自宅で支える両親。親が病気になったり、突然亡くなったりしたとき、子どもが困らないようにと“終活”の準備を始めた家族を取材しました。

大阪府吹田市に暮らす辻住忠さん(63)・英子さん(57)夫妻。息子の直也さん(28)は自閉症で重度の知的障害があります。入浴や着替え、歯磨き、排泄など、生活のほぼすべてに介助が必要な息子を、夫婦で支えてきました。

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さらに直也さんには、自閉症の人などに表れる二次障害「強度行動障害」もあり、声をあげて走り回ったり、自分を叩き続けたりすることも。また、パニックになるとそばにいる人を噛む他害行為もあるため、人を傷つけないよう、気持ちの高ぶりを抑える薬を毎日服用しています。

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「家族は傷ついても“こういう子が家族にいるから”と思えるけど、他人にやったときに、私たちはいたたまれない」と英子さん。直也さんがパニックにならないようにと、気を配っています。

この数年間、辻さん夫婦にとって、大きなできごとがありました。
英子さんは、去年5月、直也さんを介助し続けてきた疲れもあって、「腰椎すべり症」を発症。

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住忠さんは、定年後も再雇用で働いていますが、収入は大幅に減りました。
そして、辻さん夫妻は、息子の“親亡き後”を見据え、準備を始めることにしたのです

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まずは、息子のために「少しでも貯金を」と、民間の賃貸住宅から、より家賃の安い公営住宅への引っ越しを決意。そして、直也さんが“親のいない暮らし”に慣れるようにと、初めて訪問する施設で、1泊2日の宿泊体験を試みることにしました。

【動画】「親亡き後も(息子を)誰かに託して、一生食べさせていかなきゃいけない」と“終活”に踏み出したという英子さん。

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宿泊体験の当日。出発の1時間も前に自らマスクをつけ、険しい表情で座っている直也さん。英子さんが「今日は1人で寝られる?」とたずねると「はい」と返事をしますが、宿泊体験についてどこまで理解できているのかは、わからないといいます。

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英子さんが、この日のために「サポートブック」という1冊のノートを書き上げました。直也さんがパニックになったときの様子や、こだわりの行動、その対応の仕方など、初めて接する施設の職員が困らないよう、息子に関するあらゆる情報を詳細に書き込んだノートです。直也さんのカバンに入れて、施設に持って行きます。

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その日の午後、自宅を出発。英子さんが直也さんを連れて向かったのは、岸和田市にある障害者の入所施設「山直ホーム」。およそ20時間、直也さんは家族と離れてこの施設で過ごします。

直也さんは職員のサポートで入浴を終え、この日1人で泊まる部屋へと移動します。一方、英子さんは直也さんを送り出した後、「がんばってるんやなと思うと、胸がいっぱいに…」と施設の外で思わず涙が…。息子のことを気にかけながら、英子さんは施設を後にしました。

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障害のある息子を支える両親が、“親亡き後”を見据えて始めた“終活”。『newsおかえり』(毎週月曜〜金曜午後3:40〜)の特集コーナーで紹介しました。動画をABCテレビニュースの公式チャンネルで公開中!

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