中古車から救急車を作る熱血社長と、失敗を重ねながらも成長しようともがき続ける若手社員に密着!
大阪・堺市に全国でも珍しい“救急車”を製造・販売する会社があります。元暴走族のリーダーという経歴を持つ熱血社長と、必死に成長を目指す若手社員。それぞれの日々を追いました。
堺市中区にある自動車製造販売会社「CKカンパニー」。社長の遠藤弘教さん(44)が21年前に立ち上げたこの会社では、中古車を改造して救急車を作っています。
高い品質とリーズナブルな価格が受け、全国の民間医療機関などにこれまで60台近くを納品。さらに現在、堺市消防局と救急車の部品を共同開発するなど、新たな取り組みも進めています。
遠藤さんは大阪・岸和田市生まれ。15歳から自動車整備工場で働き始めました。小5のときに両親が離婚し、寂しい思いを紛らわすために夜遊びをするようになった遠藤さん。やんちゃな友人が増え、気がつけば180台を束ねる暴走族のリーダーに。ケンカはもちろん「人に迷惑をかける走り方もした」と当時を振り返ります。
23歳で工場から独立し、ドレスアップカーの製造販売会社を立ち上げ。結婚し、子どもも生まれた35歳のときに転機が訪れます。長女が入院したときに目にした多くの患者さん。ケガや病と闘うその姿を見るうち「人を救うものを作ろう」と決意した遠藤さんは、一から勉強して救急車の製造を始めたのです。
【動画】軽自動車を改造した救急車も。狭いところにも入っていける強みもあり、さらなる開発に期待がかかります。
「好きな車作りで、人を救いたい」。そんな遠藤さんの夢が形になった会社は今や11名の従業員を抱えるまでに。その中のひとりの若手社員のことで遠藤さんは頭を悩ませていました。
彼は、昨年8月から「CKカンパニー」で働き始めた水口希生さん(21)。今年1月から正社員になり、一所懸命に仕事に取り組んでいるのですが、経験の浅さから失敗が多く、教えられたこともなかなか覚えられません。
さらに時間の管理が甘く、期日までに仕上げなければならない作業がほとんど進んでいないなどさまざまなことが重なり、水口さんは救急車を作るという本来の仕事から外されてしまいました。
代わりに製造の担当になったのは、4月に入社したばかりの新入社員。水口さんには「基礎から仕事を見つめ直してほしい」と遠藤さんが任せたのは、基礎中の基礎である「洗車」の作業。ところが、これも洗い残しが見つかるなどうまくいきません。
そんな水口さんの甘さを指摘し、「もうちょっと成長していかな」と仕事への心構えを説く遠藤さん。社長の言葉に神妙な面持ちで聞き入っていた水口さんに、その日、ある“変化”が表れて…。
失敗を重ねながらも成長しようともがく若手社員、そんな彼を叱咤激励しながら見守る熱い社長の胸に迫るストーリーは『newsおかえり』(毎週月曜〜金曜午後3:40〜)の特集コーナーで紹介しました。動画をABCテレビニュースの公式チャンネルで公開中!