亡き父が遺した“門外不出のレシピ”を受け継ぎ、唯一無二の鮮やかな色を生み出す漆職人!お世話になった能登を支援するため「今できること」とは?

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思わず推したくなる人たちのお仕事に密着する「#推しごと拝見」。今回の主役は、日本の伝統文化を支える色漆(いろうるし)職人・加藤朋子さん(50)です。

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兵庫県尼崎市にある「賀名生漆工芸」は、色漆の製造や卸を手がける兵庫でただひとつの会社。こちらを営む加藤さんは、輪島塗や若狭塗などの漆器に使われる漆を作る漆職人です。

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漆の中でも、赤や緑など鮮やかな色合いの「色漆」を得意とする加藤さん。元は黒や茶色の漆に特殊な顔料を混ぜてさまざまな色を作りますが、顔料の種類や配合などは職人の企業秘密。一般的な色漆は塗って乾かすと色味が暗くなりますが、加藤さんが手がけたものは明るく鮮やかに仕上がると人気です。

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これを作り上げたのが6年前に亡くなった加藤さんの父・秀三さん。会社を立ち上げてから40年もの間、輪島に通い詰めて輪島塗の職人さんとやりとりを重ね、求められる色や風合いの色漆を次々と開発しました。

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そうしてできた60以上の色は、加藤さんだけが受け継ぐ“門外不出のレシピ”。ですが、もともとは「父の仕事を継ぐつもりはなかった」という彼女のキャリアは意外なものでした。

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医療系の短大を卒業し、臨床検査技師の資格を取得した加藤さんは、製薬会社で働いた後、青年海外協力隊に参加してアフリカへ。その後、結核菌の研究などに携わり、帰国後は大学院の博士課程で研究の道に進むつもりでしたが「いろいろあって中退」。家業を「なんとなく手伝う」ことになったといいます。

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その数年後、秀三さんにがんが発覚。廃業も考えましたが、「うちでしか作っていない商品を注文してくれるお客さんがたくさんいらっしゃる」と父の仕事を引き継ぐことを決めました。

【動画】趣味は楽器演奏。加藤さんには大好きなピアノと漆をコラボさせる意外な“夢”も!

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父の代から変わらない付き合いを続けてくれた取引先のほぼ半分は輪島の職人さんたち。そのほとんどが今年1月1日、輪島市で震度7を観測した能登半島地震で家や工房に大きな被害を受けました。

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お世話になった輪島に「何ができるんやろうってすぐに考えた」という加藤さんは5月の連休を利用し、工房で輪島支援のチャリティーを開催。仕事を再開する目処が立たず、休業に追い込まれた職人さんの作品などを販売し、輪島への寄付にあてました。

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そんななか、加藤さんは先代から交流のある輪島の箸職人・小山さんと連絡を取ります。自宅兼工房も傾き、家の中ではいまだに水も使えないなど困難な状況が続いている小山さん。輪島の箸作りを絶やしてはいけないと、3月から少しずつ仕事を始めています。

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輪島の支援に役立てたいと、自らデザインしたお箸を販売するなど、自分に「できること」を模索する加藤さん。父が残した技術と絆を守りながら、漆工芸のさらなる発展を目指す加藤さんにとって“お仕事”とは?

漆職人の仕事密着は『newsおかえり』(毎週月曜〜金曜午後3:40〜)「#推しごと拝見」コーナーで紹介しました。動画をABCテレビニュースの公式チャンネルで公開中!

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