20代で婿入りし、今は妻の故郷でみかん畑を守り続ける「ポツンと一軒農家」夫 「この場所が大好き」「(自分が亡くなったら)この山にばら撒いてほしい」

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消滅してしまった愛媛県内の集落に通い、みかんを育てている76歳の同い年夫婦。元集落は妻の地元で、まだ人が住んでいた頃に2人は20代で結婚した。婿養子である夫が、妻の両親が残したみかん畑を守り続け、「死んだらこの山に・・・」と笑顔で語る姿が印象的だ。

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山奥のみかん畑のそばにポツンと佇む一軒家。そこは住居ではなく、みかん農家である76歳の夫婦の作業場兼倉庫だ。夫婦の話によると、広いみかん畑は妻の両親が山を切り拓いて作ったもので、昔は妻一家以外にも14~15軒ほど家があり、全てみかん農家だったという。しかし、昭和60年代に国産みかんの市場価格が暴落したため、妻一家以外は廃業して山を下り、集落は消滅してしまった。

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76歳の夫婦も現在は麓町で暮らしているが、みかん農家は続けている。夫いわく、「義父らが難儀して作ったものなので、ちょっとでも残しておいたら(天国にいる本人たちが)喜ぶかなという気持ちがある」「山を荒らすよりは見栄えが良いし」というのが、続けている理由だ。

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ちなみに、夫婦の出会いは高校生の頃。別々の学校に通っていた2人は、通学する電車が同じだったことから互いを意識し、18歳頃から交際を始めて22歳で結婚したという。妻は5人姉妹の末娘で、実家に跡取りはおらず、4人兄弟の次男である夫が彼女の家に婿養子としてやってきたそうだ。

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たった一軒のみかん農家となっても、盆と正月以外は農作業をするために山に上がってきている夫婦。夫は自分の故郷ではないものの、この土地をとても愛しているようだ。「ここ(山)へ毎日上がって来るのが楽しみ。この場所が大好き」「麓にお墓をちゃんと用意しているんですけど、できたらワシだけは(遺骨を)この山にばら撒いてほしい」と笑顔で語った。

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そんな夫に、「自分が生まれたところじゃないのに、それほど愛着を持って、それほど大切にしてくれるのは、ありがたいことです」と妻もニッコリ。「両親があんなに開墾して苗を植えたのを私らの代で切ってしまうのは、すごく忍びなかったんですよ。土地を売ることなく、ちゃんと維持して主人が頑張ってくれているので、あの世で父母が安心して喜んでいると思います」と妻は夫に感謝した。

なお、この76歳のみかん農家夫婦は、12月3日に放送されたバラエティ番組『ポツンと一軒家』で紹介された。動画配信サービスTVerでは、同放送回を無料配信中だ。

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高校時代に妻と通学電車で出会い、20代で結婚、みかん農家の後継ぎとして婿入り。その後、住んでいた集落が消滅……。それでも妻と一緒にみかんを育て続ける夫。現在76歳のみかん農家夫婦の秘蔵ストーリーが素敵なバラエティ番組『ポツンと一軒家』を無料配信中

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